サポーターのゴミ拾いや森保監督のお辞儀の感謝に脚光
日本代表は現地時間12月5日、カタール・ワールドカップ(W杯)の決勝トーナメント1回戦で前回大会準優勝のクロアチア代表と対戦し、1-1で迎えたPK戦の末、1-3で敗れてベスト16敗退となった。悲願のベスト8進出を逃し、志半ばでW杯を去ることになったが、敗戦後のスタンドで見せた日本人サポーターの“ゴミ拾い”もあり、スペイン紙「AS」は「世界が称賛する模範的な日本との別れ」と伝えている。
クロアチア戦は試合序盤からフィジカルを強みとする相手が球際の強さを発揮してくる一方、日本は人数をかけたプレッシングからチャンスを生み出し、一進一退の攻防となった。そんななか前半43分、セットプレーからのこぼれ球をFW前田大然が押し込んで先制に成功する。しかし後半10分、FWイバン・ペリシッチのヘディング弾で同点とされ、試合は延長戦に突入。そこでも決着が付かず、PK戦へ突入した。
クロアチアの絶対的守護神、GKドミニク・リヴァコヴィッチを前に、日本はMF南野拓実、MF三笘薫、DF吉田麻也がPKを止められ、最終的に1-3で敗戦。目標に見据えていた史上初のベスト8進出はお預けとなった。
一方で、海外メディアは敗戦後に日本人サポーターがスタンドでゴミ拾いを行っている光景にスポットライトが当てられた。また、試合後には現地カタールのスタンドのサポーターへ向けて森保一監督が深々と一礼をする様子も海外メディアで取り上げられていた。
スペイン紙「AS」は、「世界が称賛する模範的な日本との別れ」と見出しを打ち、このように伝えている。
「日本のファンは2018年のロシアW杯のように、カタールで教育と価値観においてマスタークラスの例を再び示した。グループリーグでスペインを破ったあとの笑顔や、クロアチアに敗れたあとの涙にもかかわらず、日本のファンは再び世界の模範となった。試合終了のホイッスルが鳴り響き、敗退に失望した日本のファンは、グループリーグ3試合と変わらず、ゴミ袋を配ってスタンドを綺麗にした。また、森保監督も日本のファンに一風変わったイメージを残した。クロアチア戦後、ファンのいるスタンドに近づき、お辞儀をしてサポートに感謝していた」
敗れてなお、日本人サポーター、監督は世界から称えられる対象となっている。(FOOTBALL ZONE編集部)