33歳の守護神が、日本サッカーへ提言をした。

 現地時間12月5日、カタール・ワールドカップの決勝トーナメント1回戦で日本はクロアチアにPK戦の末に敗戦。森保ジャパンの挑戦は、4回目のベスト16という結果で幕を閉じた。

 グループステージでドイツとスペインを共に2-1で下し、日本中を沸かせたチームでゴールを守り続けたのが権田修一(清水エスパルス)だ。ドイツ戦でのスーパーセーブ連発が“権田の18秒”とも称賛された守護神は、6日に取材に対応。日本の現状をこう語った。

「アップデートしていかないと。日本サッカーは強くなった気がするけど、安定した強さとか、スペインやドイツに10回戦って5回勝てるようには、なかなかなってこない。みんなで作っていくことが必要」
 
 また、Jリーグと日本代表の差については、こう指摘した。

「毎回、代表に来ると、初日の練習はめちゃくちゃ集中する。なぜかというと、スピードが違う。Jリーグの選手にわかってほしいから言うが、代表からチームに戻って練習をすると、スローモーションみたいになる。パススピードや判断のスピード、代表はすべてが速い」

 そして、「上げていかないと、いつまで経っても“違う競技”と言われてしまう。そのままだと、Jリーグのレベルが上がらない」と主張。自身のオーストリアやポルトガルの海外経験を踏まえ、「もっと選手がどん欲になる環境を作らないといけない」として、チームメイトの名を挙げた。

 J2に降格した清水の立田悠悟が、来季に柏レイソルに移籍する。その決断について、「僕はその選択が嬉しい。静岡は住みやすい。彼は地元出身。今年、相当良い働きをしていた。多分、来年もポジションは確約されている。それでも、移籍は新しいチャレンジ」と称えた。

 そのうえで、活躍した選手が「Jリーグのなかで強豪と言われるクラブにどんどん“買ってもらえる”仕組みができないと、競争力は上がってこない。上に行きたいという欲が上がってこない気がする。立田は『個人残留』と批判されるが、その選択が当たり前になってこないと、日本サッカーのレベルが上がってこない」「安定雇用の良さでもあり、成長の阻害になっている部分でもあるのかなと思う」と主張した。

 カタール・ワールドカップに出場した森保ジャパンは、現地で解散した。各選手はチームに戻り、新たな戦いに向けた準備に入る。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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