4年後のW杯もまだ優勝への道は見えない
惜しくもベスト16でオランダ代表に敗れ、FIFAワールドカップ・カタール大会での戦いを終えたアメリカ代表。4年後の2026年大会はカナダ、メキシコ、アメリカの3国共催で行われる予定となっており、今のアメリカは2026年大会の成功にこだわっている。
現在のチームにはMFユヌス・ムサ、タイラー・アダムスなど将来性を感じさせる若手が揃っており、この4年間でさらなる成長が期待できる。
しかし、まだ欧州や南米トップレベルのチームとは差がある印象だ。今回ベスト16で戦ったオランダも決して今大会の優勝候補に挙げられているチームではないが、実力には差があった。現段階で4年後の優勝を狙うのは厳しいと言わざるを得ない。
米『ESPN』は『アメリカはいつの日かW杯を制覇できると思う?』とファンに疑問を投げかけているが、気になるのはアメリカのスポーツ事情だ。
近年はMLSの成長もあってサッカー人気もじわりと高まっているように感じられるが、やはりアメリカではアメフトやバスケット、野球、アイスホッケーの四大スポーツが高い人気を誇る。アメフトのNFL、バスケットのNBAなどには怪物級の身体能力を誇る選手がゴロゴロと揃っており、おそらく単純な身体能力では世界中のサッカー選手を上回る素質があるはずだ。問題は、そうしたアスリートがサッカーへ向かうかどうかだ。
「ここではトップアスリートが別のスポーツをやっている。それが変わらなければW杯優勝は起こらない」
「2050年までには、メキシコかアメリカが初めての北中米W杯王者になると思う。また、中国も強力になっているだろう」
「GDP、人口、歴史は国際的な成功に関連する3つの重要な要素だ。アメリカにはGDPと人口があり、あとは歴史を築いていくだけだ。時間の問題だ」
「アメリカには最高の身体能力を持つアスリートたちがいる。もし我々が真剣にサッカーに取り組めば世界は焼け焦げる」
ファンからはSNS上でこのような意見が出ており、考え方は様々だ。バスケットならばレブロン・ジェイムズのようなサイズのあるプレイヤーがサッカーに取り組んだ場合にどうなるか気になるが、アメリカがサッカー界の勢力図を変えるときはくるだろうか。現状は欧州と南米がワールドカップを支配しているが、アメリカスポーツ界にはその構図をひっくり返すだけのポテンシャルがあるはずだ。それこそ4年後のワールドカップでサッカー人気に火がつくかもしれない。MLSの発展を含め、アメリカサッカー界の歩みは1つの注目ポイントとなるだろう。