カタールでの成果を生かしたい

日本のFIFAワールドカップ・カタール大会は終わった。今後は2023年開催のアジアカップを経て2026年のカナダ、メキシコ、アメリカ共同開催のW杯出場を目指すことになる。この大会から出場枠の変更が行われる。現行の枠は「32」だが、2026年から「48」に増えることになる。アジア枠は「4.5」から「8.5」への増加であり、問題なく本戦には出場できるだろう。

今大会で証明された日本の武器は堅守だ。自陣に引いてしっかりとブロックを作れば、複数失点することはない。全4試合で必ず失点しているが、複数失点はない。失点は完璧に防ぐことができず、十分に合格ラインだといえる。

だがそんな守備とは打って変わって攻撃には課題が残った。最大の課題は日本が主導権を握った際の攻めだ。アジア最終予選からこの課題は解決しておらず、予選では三笘薫や伊東純也といった個で解決した。しかしW杯の舞台ではそれは難しく、コスタリカ戦でノーゴールに。

個を強みとする場合、相手は対策しやすい。W杯での日本は明らかに後半から出てくる三笘が武器であり、クロアチアは三笘に2枚のマークを付けた。また三笘がプレイする左サイドの深い位置にボールを送ることで三笘のスタートポジションを下げている。いくら三笘でも自陣深い位置からゴールを挙げることは至難の業だ。

「今後、トップを目指していく上で、攻撃をどのように構築していくか、アタッキングサードでのクオリティの部分を含めて取り組んでいかなければなりません」

日本代表の長友佑都もこの問題を解決すべきだと主張している。

カタール大会までチームを率いた森保一監督が続投するといった話が出ている。「現実的な話は全くしていない」と本人は語っているが、ドイツ・スペインを撃破したことで日本サッカー協会は続投のオファーを提示する可能性は高い。

今後の森保政権で、長友の言うアタッキングサードでのクオリティを高めることはできるのだろうか。ここまでのアジア最終予選の様子を見る限り難しそうだが、カタールでの経験、次回の出場枠拡大の影響もあって予選でもテスト要素の強いメンバーで臨めるのはポジティブな要素である。選手たちは物凄いスピードでレベルアップしており、日本の攻撃がさらなる高みに近づくことはあるのだろうか。