「FIFA+」のインタビューで「日本は新たな歴史を作り始めている」と喜び

 日本代表は7大会連続出場となったカタール・ワールドカップ(W杯)で、目標とするベスト8にこそ手が届かなかったが、勇敢な戦いぶりでベスト16の成績を残した。かつてJリーグでプレーし、2006年のドイツ大会で日本代表監督も務めた元ブラジル代表MFジーコ氏が、国際サッカー連盟(FIFA)公式サイトのコンテンツで日本代表について語っている。

 ジーコ氏はJリーグ草創期の鹿島アントラーズに加入し、クラブやリーグの発展へ大きく寄与。指導者へ転身後は、日本代表監督も務め、2006年のドイツW杯出場権獲得と本大会での指揮を経験するなど、日本サッカー界に尽力した。現在は古巣鹿島のクラブアドバイザーを務めている。

 そんな“サッカーの神様”が「FIFA+」で語ったのは、カタールW杯に挑んだ日本代表の戦いぶりだ。グループEで強敵ドイツ代表、スペイン代表を破って決勝トーナメントへ進出。1回戦でクロアチアと当たると、前半43分にセットプレーからのこぼれ球をFW前田大然が押し込んで先制したが、後半10分にFWイバン・ペリシッチのヘディング弾で同点とされ、それ以上スコアが動かず延長戦へ。120分の戦いの末、PK戦にまでもつれ込んだが、日本は3人が失敗し、1-3で敗退が決まった。

 W杯同一大会で優勝経験国を2つ倒したのは、史上初めてのこと。ジーコ氏はドイツとスペインに対して「臆するな」と、森保監督にアドバイスしていたことを明かしている。

「今までのように伝統や歴史の重みではもう勝てないし、ヨーロッパのチームはスピーディーなアジア人を相手にするのは難しい。私も日本代表監督として何度か戦ったが、彼ら(ヨーロッパ勢)はいつもやりにくそうだった。もちろんドイツもね」

 ベスト8にこそ手が届かなかったが、2大会連続でベスト16に駒を進め、2018年ロシアW杯の準優勝国であるクロアチアを苦しめた戦いぶりは評価に値するだろう。ジーコ氏は、「日本は新たな歴史を作り始めている」と語り、「スタジアムでこんなに感動したのは何年ぶりだろうか。あらゆる思い出が頭の中に蘇ってきたよ」と喜んでいた。(FOOTBALL ZONE編集部)