大会ベスト8は強豪国揃い、アジア勢や北中米カリブ海勢は全滅
カタール・ワールドカップ(W杯)は現地時間12月6日までに全64試合中の56試合を終え、ベスト8が出揃った。その顔ぶれはヨーロッパ5か国、南米2か国、そしてアフリカ1か国。アジア勢や北中米カリブ海勢は全滅し、欧州・南米勢の強さが際立つ結果となった。
英紙「インディペンデント」は「W杯のガラスの天井が追いかける者たちを切り離した」と決勝トーナメント1回戦の結果を総括。日本代表やメキシコ代表などベスト16の壁に阻まれ続ける国の現状に着目した。
メキシコでは「la maldicion del quinto Partido(5試合目の呪い)」という言葉があるという。W杯で3試合のグループリーグを勝ち抜いてベスト16には残るが、5試合目にあたる準々決勝には辿り着けないことを表している。いずれも自国開催だった1970年と1986年大会ではベスト8に駒を進めているメキシコだが、1994年アメリカW杯から2018年ロシアW杯まで7大会連続でベスト16敗退。今大会はグループリーグ敗退に終わったが、W杯ではことごとくベスト16の壁に阻まれてきた。
その点は日本も同じだ。今大会はグループリーグE組に入り、ドイツ代表とスペイン代表から勝利を収め、首位で決勝トーナメントに進出。その快進撃は世界からも注目を集めたが、F組2位通過のクロアチア代表と対戦した決勝トーナメント1回戦で敗北。2002年日韓W杯、2010年南アフリカW杯、2018年ロシアW杯に続く“4度目の正直”は叶わなかった。
そのほかにもアメリカ代表と韓国代表の両国も今大会、決勝トーナメント1回戦で敗退。日韓W杯でそれぞれベスト8と4位に躍進した両国もこの20年間はベスト16の壁を破れずにいる。FIFAランキングで言えば15〜30位前後の国にとって世界のトップ8に残ることがどれだけ難しいかを改めて実感する大会になったと言えるだろう。
インディペンデント紙はこの日本や韓国、アメリカ、メキシコといった国は「ガラスの天井にぶつかり続けている」と表現し、次にように記した。
「(欧州や南米以外の)主要な代表チームがここ数十年の間に向上していることは疑いの余地がない。日本やアメリカは4年前よりもいいチームだと感じた。しかし、競争力を高め、戦術的に優れたチームを作り、多くの選手を有力国のリーグに送り込んだとしても、世界のサッカー界で13〜25位のチームであることもまた事実だった。アジアやアフリカ、北米の多くのチームにとっては準々決勝こそが最後のフロンティアであるかのように見えたほどだ」
実際に今大会で欧州と南米以外でベスト8に残ったのはアフリカのモロッコ代表のみ。アジア勢や北中米カリブ海勢にとっては厳しい結果となったことは言うまでもない。
次回の2026年W杯は出場国が32から48か国に増加し、32チームが決勝トーナメントに進出するなど大会方式もがらりと変化するが、日本など“ガラスの天井”に阻まれていた国はこの壁を突破することができるだろうか。(FOOTBALL ZONE編集部)