FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長に対するデモ活動が激しくなっているようだ。イタリア『メディアセット』が報じている。
絶賛開催中のカタール・ワールドカップに関して、様々な問題が取り巻いているインファンティーノ会長。以前から開催地決定については癒着や賄賂疑惑が取り沙汰され、スタジアム建設に携わった多数の移民労働者が命を落とすなど、人権問題も表面化して生きている。
ゼップ・ブラッター前会長も「カタールでW杯を開催するのは間違いだった」と言い放った中、インファンティーノ会長の出身地であるスイスのブリッグでは、人権や汚職、貧困、紛争などの問題に関する世界的な活動を推進する『Avaaz』によるデモ活動が活発化しているという。
『メディアセット』によれば、カタールのワールドカップで“死亡”または“搾取”された数千人の移民労働者への補償を求める巨大なビルボードが3枚出現。「インファンティーノ、あなたの家族も移民だった。同じ立場の何千人もの人々が、このワールドカップの犠牲になっているのです。今すぐ補償してください」というメッセージが書かれているようだ。
『Avaaz』のリーガル・ディレクターであるビータ・アンデマリアム氏は「インファンティーノが約束した“FIFAのイメージ回復”とは裏腹に、今回のワールドカップは人道的観点から見て大失敗だった」と指摘する。
また、「FIFAの会長は、この大会から何十億もの利益を得ているにもかかわらず、全く反省しておらず、被害者やその家族に対して実質的に何もしていません。正直に言って、このような冷淡さと貪欲さは恥ずべきことです」と非難した。
なお現在は、カタールW杯の準備期間中に被害を受けた出稼ぎ労働者に補償するようFIFAに要請するための組織が動員され、賞金総額に相当する4億4000万ドルを寄付する基金が設立されている。