35歳にして悲願のワールドカップ初優勝を成し遂げたアルゼンチン代表リオネル・メッシ。
優勝トロフィーを掲げるInstagramの投稿には、史上最多となるいいねがついたことでも話題になった。
ただ、メッシが掲げた優勝トロフィーのなかには本物ではないものが紛れていたようだ。
『Clarín』によれば、ブエノスアイレス在住の夫婦がお守りとして現地に持ち込んだ優勝トロフィーのレプリカだったそう。
熱狂に包まれたフランスとの決勝戦が終わった後、偽物のトロフィーはスタンドからピッチに入ると、メッシの手に渡った。
実際、アンヘル・ディマリアがメッシに対して、これは本物のトロフィーではないと指摘し、2人が笑い合うシーンも撮影されている。夫婦はこう話しているそう。
「W杯前にトロフィーを作った人に連絡を取り、6ヵ月をかけて複製した。
重さは本物と同じで、内部は樹脂と石英で出来ており、金の塗料で覆われている。
細部は異なるものの、違いはごくわずかしかない」
「(スタンドからピッチに持ち込まれたのは)
選手たちにサインしてもらうつもりだった。でも、最終的には3度もピッチに運ばれた。
最初は、レアンドロ・パレデスの家族が彼にサインを入れてもらった。
2度目にお願いされた時は、選手から選手へ、親族から親族へと渡され、写真をとられたりして、45分間もピッチ上にあった。
他のファンからは『カップを失くしたな』と言われた。楽しかったけれど、取り戻したかったので、『パレデスが持っているカップは私たちのです』と叫んだ。
最後はラウタロ・マルティネスがサインして、持ってきてくれた。
その後、FIFAのセキュリティがやってきて、本物でないことを確認するために渡せと言われた」
FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長がメッシに手渡した本物のトロフィーがピッチ上にあったのはほんの数分。
その後、FIFA公式のレプリカと交換され、本物のトロフィーはスイスにあるFIFA本部に返却される。これまでの大会ではスタジアム内の個室で交換が行われていたが、カタールではピッチ上で行われたために混乱の一因となった可能性があるようだ。
後にディマリアは「警備員から『カップを誰にも渡さないでくれ』と言われたが、『でも、別のカップがあそこにある』と答えた。すると、彼らは『いや、あなたが持っているのが本物。だから、我々はあなたのそばにいる』と言ったんだ。それをメッシに伝えたのさ」と話している。
夫婦はメッシが自分たちのトロフィーを掲げたことを数時間後に知ったそう。彼らには悪意があったわけではなく、混乱を起こそうとしたわけでもない。
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ただ、メッシの歴史的な光景を台無しにしたとSNS上で攻撃されており、SNSアカウントを閉鎖するはめになったそう。