ベスト8が出揃ったカタール・ワールドカップ。ここからさらに熾烈なバトルが予想されるが、最後に黄金のトロフィーを掲げるのはどの国か。芸能界屈指のサッカー通で知られる平畠啓史氏に優勝予想を訊いた。

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 これまでの56試合が楽しすぎて、すでにお腹いっぱいのワールドカップ(W杯)だが、これからがメインディッシュ。56試合の余韻にもう少し浸りたい気もするが、メインディッシュの食材が魅力的で満腹中枢を麻痺させる。

 究極の真剣勝負。極上のフットボールを味わい尽くしたい。準々決勝はどの試合も激闘必至だが、注目は左サイドの攻撃と右サイドの守備。キリアン・エムバペ(フランス)、ヴィニシウス・ジュニオール(ブラジル)、ジョアン・フェリックス(ポルトガル)、イバン・ペリシッチ(クロアチア)と左サイドの攻撃的な位置に得点が取れて、ゲームを決められる選手を配置するチームが多い。
 
 そういう意味では三笘薫の存在は時代が求める選手という気もするし、次のW杯では攻撃的な左のポジションで見てみたい。左サイドからの攻撃で相手を崩し切ることができるか。相手の左サイドの攻撃を右サイドの守備が守り切ることができるか。このサイドの攻防が勝敗の鍵を握ることになる。

 それに加えて、カウンター気味の縦への速い攻撃が可能なチームはチャンスを作り出す機会が多い。そんなことから、準決勝のカードはアルゼンチン対ブラジル、フランス対ポルトガルと予想。アルゼンチンに左サイドの攻撃偏重な様子はないが、リオネル・メッシはやはり特別で、強固な中央の守備を個の力で打開できる稀有な存在である。
 
 チームとしての守備の安定感がブラジルとフランスには感じられるので、決勝のカードはブラジル対フランスと想像しているが、ポルトガルがおもしろい。J・フェリックス、ベルナルド・シウバ、ブルーノ・フェルナンデスの生み出す変幻自在の攻撃は魅力的で、スイス戦でクリスティアーノ・ロナウドに代わって出場したゴンサロ・ラモスがハットトリックとチームに勢いがある。準決勝でフランスに勝てれば優勝の可能性もあるだろう。

 個人でサッカーをするわけではないけれど、3位決定戦がアルゼンチン対ポルトガルになれば、メッシ対C・ロナウドという世界大注目の一戦にもなる。
 
 決勝のブラジル対フランスはともに高い守備力、攻撃的なタレントの力があり、スペクタクルなゲームになること必至。ブラジルの両翼、ラフィーニャとヴィニシウス。フランスの両翼、ウスマンヌ・デンベレとエムバペのドリブル合戦も楽しそうだ。

 このゲームで注目しているのはフランスの中盤。献身的なオーレリアン・チュアメニ、攻守に多く関わるアントワーヌ・グリーズマン、エレガントなアドリアン・ラビオ。この中盤の構成が絶妙。この3人が試合の優位性をフランスにもたらし、エムバペが決めてフランスが優勝と予想。残り8試合。3位決定戦も含め、存分に楽しみたい。

文●平畠啓史

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