カタール・ワールドカップでの名解説が話題となっている本田圭佑が12月8日、自身のYouTubeチャンネルで、生配信を実施。W杯や日本代表について語った。

 ベスト8を目標に掲げてカタールW杯に挑んだ森保ジャパンは、粘り強い守備からカウンターを狙うスタイルと選手交代がハマり、ドイツ、スペインという強豪を撃破。下馬評を覆して、首位でグループステージを突破した。

 一方で、ある程度ポゼッションができたコスタリカ戦やラウンド16のクロアチア戦では逆に苦しみ、白星を挙げられず。最後はPK戦で涙をのんだ。

 視聴者から「根本の日本のスタイルはポゼッションがいいか、守備からのカウンターがいいか。どちらに重きを置くべきですか」と質問を受けた本田は、「正解はない。それを前提に聞いてほしい」と前置きしたうえで、こう持論を展開した。

「強豪国を目ざすならボールを持たないといけないと思う。そのほうが確率が上がるし、タフなスケジュールのなか、頂点を目ざすなら、そのスタイル以外に優勝できる可能性は極めて低い」

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 そして、「でも、これはループしてるんで」と話し、これまでの経緯を説明した。

「10年(南アフリカW杯)の時、それ(守備的なスタイル)で予選(グループステージ)を突破した。14年(ブラジルW杯)は持ちにいった。どんな強豪相手にも対等にいった。でも、それで返り討ちにされて予選敗退。でも、何回も言っているように、戻る必要はなかった。結果だけで判断しちゃいけない」

 10年から3大会連続でW杯に出場した36歳は、「ループしたんで、また今回出ていた選手がボールを持ちたいってなるんじゃないかな」と続けた。

 すると、進行を務めていたライターの木崎伸也氏が、「まさにそうで、(クロアチア戦翌日の囲み取材で話したように)例えば堂安(律)選手は『もっと主体的に攻撃的にやりたい』と試合後の食事の席で言ったそうです。そしたら、2014年を知るベテランの選手たちから、『あの時は惨敗した。守備の大切さも忘れないでくれ』とたしなめがあったそうです」と紹介した。
 
 すると、本田は「話にならんでしょ」とばっさり。「そりゃそうよ、守備は大切なのは当たり前なわけで、ある程度の時間を要するので、1回のワールドカップでダメだったから否定するのは良くない。長丁場で行こうとした時に、ボールポゼッションをしながら、チャンスを数多く作っていくスタイルを目ざすほうがいいと思ってる」と見解を述べた。

 堂安は、敗れたクロアチア戦の翌日、「全員が理想としているサッカーではないのは、僕たちも分かっているし、コスタリカ、クロアチアとボールを少し持たしてくれた相手に対して、アイデアがなかった。やっぱり強豪国相手にこのワールドカップという舞台で、90分間しっかりボールを保持して勝ちたいというのは理想」とコメント。「昨日も選手内で話したが、その例はやっぱり出て。南アフリカが終わって4年間、本田さんを先頭に理想を求めて、負けて敗退したというのは経験している選手たちが話してくれた」と発言していた。
 
 本田は「何回も言うようにこれは正解はない」と強調しつつ、カウンターならカウンターでサッカー協会が定めて、徹底的に(アジア)予選からそれをやるべき」と主張。「ループしたら、俺がいろいろ教えられる、アドバイスできることはあるよ」と笑みを見せた。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部