日本代表で話題となった“美ロッカー”がイラン代表などにも普及

 2022年のサッカー界も、数々の出来事が起こった。ピッチ上で見られた粋な計らい、ファンへの神対応など、記憶に残る反響シーンを振り返る。森保一監督率いる日本代表が、カタール・ワールドカップ(W杯)の試合終了後ごとに、綺麗に清掃されたロッカールームの様子は、ほかの出場国にも普及する影響力を見せた。

 日本はグループリーグ初戦でW杯優勝国のドイツ代表と対戦。1点ビハインドで迎えた後半30分に左サイドの攻撃からMF堂安律が押し込んで同点に追い付くと、FW浅野拓磨もディフェンスラインの背後への抜け出しからゴールを奪い、終盤の逆転劇で大金星を挙げた。

 世紀の勝利後、国際サッカー連盟(FIFA)が公式ツイッターで公開したのが、日本の試合後のロッカールームだった。

「W杯でドイツ相手に歴史的な勝利を収めたあと、日本サポーターはスタジアムのゴミを片付け、サムライブルー(日本代表)はカリファ国際スタジアムのロッカールームをこのような状態であとにした。ピカピカだ。ドーモアリガトウ」

 選手たちが着用したビブスまで綺麗に畳まれている、試合前と言われても分からないようなほど、綺麗に整理整頓されたロッカールームの様子が収められており、ファンからは「美しく勝つ」「試合前みたい」といった声が上がっていた。日本はドイツ戦に限らず、コスタリカ代表戦、スペイン代表戦、PK戦の末に敗れた決勝トーナメント1回戦のクロアチア代表戦後にも同様に“美ロッカー”が注目を集めた。

“美ロッカー”は、ほかのW杯出場国にも普及。カタール紙「Al Raya」のジャーナリストであるアリ・ヌーリ氏がツイートで「(ウェールズ代表との)試合終了後、アフメド・ビン=アリー・スタジアムのロッカールームを掃除したイラン代表の選手たち。彼らはカタール側のおもてなしに感謝の言葉を書き残した」と、日本と同じように綺麗に掃除されたイラン代表のロッカールームを紹介。ホワイトボードには感謝のメッセージとともに、グループリーグ突破後に戻ってくることを約束した一言も記されており、海外ファンから「おぉ日本みたいだ」「温かいもてなしに感謝」などのコメントが寄せられた。

 カタールW杯において、試合後の“美ロッカー”は、サポーターたちのゴミ拾いとともに、今大会のトピックスの1つだった。(FOOTBALL ZONE編集部)