南野拓実はカタールの地で悔しさを味わった。
森保ジャパンで最多得点をあげていた南野だが、ワールドカップ本大会では先発出場なし。3試合で終盤から途中出場するにとどまり、ドイツ戦の同点弾に絡んだが、得点やアシストを記録することはできなかった。そしてクロアチア戦ではPK戦で1番手を務めるも失敗。敗退後、ピッチに泣き崩れた。
PK戦は運という意見の一方で、南野のPKはコースが甘かったとの指摘も少なくない。そのため、計り知れない重圧の影響があったとの声もある。
間接的ながら南野の精神力に言及したのが、かつてレッドブル・ザルツブルクで指揮を執ったペーター・ツァイドラーだ。イタリア『GIANLUCA DIMARZIO.com』のインタビューで、韓国代表のFWファン・ヒチャンのメンタリティを称賛しつつ、南野にその「精神的な強さ」がなかったと話している。
ザルツブルクで南野のチームメイトだったファン・ヒチャンは、グループステージのポルトガル戦で終了間際のアディショナルタイムに決勝弾をマーク。韓国をベスト16進出に導いた。
ツァイドラーは「ボールを持ったときの彼を止めるのは難しい。技術的な観点から非常に優れている。スピードにのっているときも素晴らしいよ。特に最初の数メートルだ」とファン・ヒチャンを称賛。「最後に、精神的な点でも本当にファンタスティックだ」とつけ加えている。
「常に勝利を望む。彼にはこの素晴らしいクオリティがあるんだ。それは最高レベルに達するために本当に重要なことだよ。私はミナミノも一緒に指導した。彼らは一緒に(ザルツブルクに)来たんだ。ファン・ヒチャンと違い、タクミにはこの精神的な強さが見えなかった」
今シーズンから加入したモナコでも苦戦し、難しい2022年の終わりを迎えることになった南野。だが、誰よりも本人がこの逆境をはね返そうと意気込んでいるはずだ。今季の後半戦以降、これから南野が周囲を見返す活躍を見せられるこのを期待したい。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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