カタール・ワールドカップを現地取材していて、改めて各国のサポーターにはキャラクターの差があることを思い知らされた。
 
 応援のまとまりや礼儀正しさでは、やはり日本が素晴らしかった。逆に圧力や声量という意味ではアルゼンチン、そしてモロッコが傑出しているように感じた。
 
 モロッコ・サポーターはとにかく熱い。現地時間12月14日の準決勝でも、相手のフランス・サポーターを人数で圧倒。国歌斉唱の時から大声を張り上げ、身震いがするほどだった。
 
 モロッコ・サポーターは身を乗り出して歌や声援で自国選手を全力で後押ししながら、敵国選手への圧力も凄まじい。フランスの選手がボールを持てば即座にブーイング。ここまで大きな野次は今大会でも他に類を見ない。
 
 試合が残り10分の段階で0-2と苦しい状況に陥っても、ほとんど誰も席を立たず、応援とブーイングの声を張り上げる。最後の最後まで力を振り絞って戦うその姿勢は、今大会のモロッコ代表を見ているようで胸が熱くなった。
 
 現地報道によれば、準決勝は観戦チケットを持たないモロッコ・サポーターが大量に会場のアルバイト・スタジアムに集結。検問を突破しようとするモロッコ人と警備隊が睨み合いとなり、物々しい雰囲気になっていたという。
 
 モロッコ・サポーターの「熱」は、アルゼンチン・サポーターと並んでカタールW杯で屈指。クロアチアと戦う12月17日の3位決定戦でも、大きな声援とブーイングをスタジアムで響かせることだろう。
 
取材・文●白鳥大知(サッカーダイジェスト特派)

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