センターバックの層が厚すぎる
FIFAワールドカップ連覇まであと1つ。怪我人を多く出しながらも、フランス代表は今回のカタール大会でも決勝まで駒を進めてきた。
フランスでは選手層の厚さが何かと話題になるが、最も印象的なのはセンターバックだろう。大会前にはパリ・サンジェルマン所属のプレスネル・キンペンベが負傷で離脱したが、フランスはその穴をあっさりと埋めてしまうだけのピースを揃えている。
前回優勝を知るラファエル・ヴァランが軸となり、相棒はバイエルンのダヨ・ウパメカノ、リヴァプールのイブラヒマ・コナテが担当。試合ごとにペアを変えているのも特長的で、初戦のオーストラリア戦はウパメカノ&コナテ、ベスト16とベスト8はヴァラン&ウパメカノ、そしてウパメカノのコンディションが間に合わなかったベスト4のモロッコ戦ではヴァラン&コナテでクリーンシートを達成している。
短期決戦のFIFAワールドカップでセンターバックコンビを試合ごとに入れ替えられるあたりは見事で、それだけレベルの高いセンターバックが揃っている証だ。恐ろしいのはベンチにアーセナルでブレイクするウィリアム・サリバが控えているところで、ウパメカノ、コナテ、サリバは間違いなく4年後もフランス守備陣の軸と計算できる。
キンペンベの離脱もあって追加招集されたモナコ所属のアクセル・ディサシも国内リーグのパフォーマンスは高く評価されており、年齢も24歳と若い。こちらも4年後の代表候補となるだろう。
他にも今回は招集されていないが、同じモナコでプレイする21歳のブノワ・バディアシル、今夏レスター・シティからチェルシーへ移籍するも怪我を負って離脱中のウェスレイ・フォファナ(21)、フランスのリヨンで頭角を現す19歳のレフティーCBカステロ・ルケバらも楽しみな選手だ。
守備の安定は短期決戦における大きな武器となり、このセンターバックの選手層がある限りフランスは4年後も強いだろう。まだまだ気は早すぎるが、仮にカタール大会で連覇を果たした場合は2026年大会での前人未到の3連覇も狙えるかもしれない。攻撃面ではFWキリアン・ムバッペがまだまだ若いことを考えると、フランスによるワールドカップ支配が実現しても不思議はないだろう。