FIFAワールドカップカタール2022で史上初の女性審判員として活躍した山下良美審判員のメディアブリーフィングが15日に行われ、大会に参加しての感想や印象に残ったことを語った。

 グループステージの6試合で第4審判を担当した山下審判員は「試合以外の面でも大会前後で私自身としては、やるべきことを精一杯やったと思っています」と振り返り、W杯を体感したことで「サッカーの凄さをあらためて感じて、よりサッカーに魅了されて帰ってまいりました」とコメントした。

 自身が感じた“サッカーの凄さ”という部分に関しては「(スタジアムで)見ている人たちの感情の変化」を挙げ、「嬉しさを爆発させたり、悔しくて涙を流したり、サッカーがこれだけ心を動かせるスポーツなんだという凄さを感じました」と続けた。

 今大会は山下審判員を含む3人の女性主審と3人の副審が選ばれ、フランス人のステファニー・フラパール審判員がグループE最終節のコスタリカ代表とドイツ代表の一戦で、女性としてW杯で初めて主審を務めたことにも言及。山下審判員は「心から嬉しかったですし、それによって本当に可能性が広がっていったのを目の当たりにした」と述べ、「この先に継続していけるように私自身も頑張っていきたい」との思いも口にした。

 また、W杯という舞台で主審を務めることに対しては、「主審として参加する以上はそれが当たり前というか、常に交代できる準備をしていました」とコメント。4年後に向けてはの思いを尋ねられると、「もともと常に1試合1試合を積み重ねてきたので、それは変わらず、とにかく目の前の1試合に全力を投じていきたいと思います」との考えを強調した。