クロアチア戦のみ「メッシはメッシに戻った」と見解

 カタール・ワールドカップ(W杯)は3位決定戦と決勝戦を残すのみとなったが、頂上決戦に臨むアルゼンチン代表とフランス代表について、かつてイタリア1部ACミランなどを率い、2回のW杯も指揮したファビオ・カペッロ氏が、アルゼンチンのエースFWリオネル・メッシについて複雑な評価を語っている。

 カペッロ氏はミランでクラブレベルの欧州王者を獲得。ASローマを率いた当時は、元日本代表MF中田英寿氏を擁してイタリア王者に輝いたことでも知られる。代表チームではイングランド代表を率いて2010年の南アフリカW杯、ロシア代表を率いて2014年のブラジルW杯を指揮している。

 そのカペッロ氏はアルゼンチンとフランスについて、「技術的なレベルが群を抜いて高いフランスとアルゼンチン、2つの代表チームが別次元で決勝戦に辿り着いた。なかでも、メッシとムバッペが違いを生んだ」と、得点王レースでトップに並ぶメッシとフランス代表FWキリアン・ムバッペについて言及した。

 一方で、メッシについては「準決勝のクロアチア戦のみ、メッシはメッシに戻った。その前の試合では歩き回っているだけだった」とコメント。クロアチア戦で3-0の勝利に1ゴール、1アシストの活躍で貢献したメッシだが、それまでの試合でのプレーを「歩き回っているだけ」という辛口コメントをしている。

 名将カペッロ氏は史上初の11月開幕については「いいW杯が進んできた。選手たちはフレッシュな状態で到着し、たくさん走ってくれた。監督たちは相手にスペースを与えず、素晴らしく注意を払った試合が続いた」と、運動量と整った守備戦術が目立っていると話す。

 決勝戦でのメッシは、クロアチア戦のように躍動するメッシか、それともカペッロ氏の言葉での「歩き回っているだけ」のメッシか。5大会連続出場にして最後のW杯と公言しているメッシは、誰もが注目する存在になっている。(FOOTBALL ZONE編集部)