英衛星放送「BBC」のシャムーン・ハフェス記者が見解

 カタール・ワールドカップ(W杯)で初の2大会連続決勝トーナメント進出を成し遂げた日本代表。ドイツ代表とスペイン代表に勝利してグループEを首位で通過したものの、決勝トーナメント1回戦では、クロアチア代表にペナルティーキック(PK)戦の末に敗れている。

 ベスト8進出という目標を達成することはできなかったが、世界に日本の戦いぶりはどう映ったのか。ドイツ戦(2-1)とクロアチア戦を取材した英衛星放送「BBC」のシャムーン・ハフェス記者に聞いた。

「日本はフィジカル面でそれほど強くなかったが、森保監督はとても良くチームをまとめた。PK戦があまりにも貧弱だったのは残念だった。南野もリバプールでもう少し試合に出ていれば違っていたかもしれないけど、彼にとって(リバプール行きは)最善の移籍ではなかったからね。次の日にPKを外したファン・ダイクとともに、この先のキャリアのためにもPKを練習しないといけないね」

 防戦一方だったドイツ戦の前半45分を見た印象は「どうして日本は何もしようとしないんだ?枠内シュートもなかったし、ドイツが3点取っていてもおかしくなかった」というものだったという。「後半になって堂安律、浅野拓磨が出場して一気に変わり、彼らの枠内シュート2つで2-1と勝利した。ファンタスティックだった。でも、私が最も日本について感動したのはファンなんだ」と、その理由を説明した。

「ゴール裏にいたファンは、いい意味でクレイジーなファンだった。すごく情熱的に日本を応援して、青と赤も色鮮やかだった。彼らの応援をとても楽しませてもらった。試合中の彼らにも感動したのに、彼らは試合が終わるとゴミ袋を出し始めてゴミ拾いも始めた。アメージング。本当にいい印象しか残ってないよ。次のアジアカップもあるのかい?ぜひ取材したいね。日本も出るんだろ?」

 日本では森保監督の去就が注目を集めるが、ハフェス記者は続投を支持するという。「チームは彼の下で戦うことを楽しんでいるように見えた。ゴールが決まった時も、監督の下へ駆け寄っていた。選手たちとの関係もとても良さそうだったから、このまま行くべきじゃないかな。ファンも森保監督のバナーを掲げていた。あれが提示されたということは、ファンからも支持されているということだろう? 続けるべきだと思うよ」と、周囲からの支持を感じられたことを理由に続投を推した。

 強く印象に残ったという日本のゴール裏のサポーターが横断幕を掲げていただけに、サッカーの母国から来た記者には、指揮官が力強い後押しを受けているように見えていたようだ。(FOOTBALL ZONE特派・河合 拓 / Taku Kawai)