世紀の死闘を制したのはアルゼンチンだった。

 現地12月18日、カタール・ワールドカップ決勝が行なわれ、アルゼンチンが3-3からのPK戦の末にフランスを下し、36年ぶり3度目の優勝を飾った。

 両監督の采配の妙も注目を集めた大一番。0-2で迎えた41分、フランスのディディエ・デシャン監督は今大会で好調を維持してきたウスマンヌ・デンベレとオリビエ・ジルーのふたりを諦め、レンドール・コロ・ムアニとマルキュス・テュラムをピッチに投じた。世界中が驚く大胆策に打って出たのだ。

 この交代に怒りを露わにしたのが、ジルーだった。英メディア『talkSPORT』は36歳FWが交代時にみせた振る舞いに着目。「デシャン監督が一大ギャンブルを仕掛けるなか、納得がいかないジルーはペットボトルを地面に叩きつけ、ベンチを蹴り飛ばして席についた」と報じ、「ここまで4得点を挙げるなどハイパフォーマンスを披露してきたが、決勝では動きに精彩を欠いた。自身への怒りがこみ上げたのだろう」と続けた。
 
 さらに2-2で突入した後半アディショナルタイムには、アルゼンチンのプレーにベンチから飛び出して主審に猛抗議。同メディアは「交代してからもずっとイライラしていたジルーは、何度もタッチライン際に姿をみせるなど興奮していた。イエローカードまで食らったが、それでも収まらなかった」と伝えた。

 今年9月に代表復帰を果たしたジルー。今大会ではカリム・ベンゼマの欠場を受けてCFのファーストチョイスを託され、フランス代表・通算得点の新記録(53得点)を樹立した。最後は残念な結果に終わったが、大会を華麗に彩ったヒーローのひとりであることに変わりはない。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

【画像】41分での交代に怒りを爆発させ、ペットボトルを叩きつけるジルー