「試合終了のホイッスルは、次の試合へのキックオフの笛である」

デッドマール・クラマーの有名な名言だが、カタールワールドカップで死闘を繰り広げてきた代表チームは、まさにそんな気持ちで4年後を見据えているに違いない。

【映像】怪物エムバペ 史上2人目、56年ぶりに決勝でハットトリック

例えば、フランス代表の場合。史上3チーム目の2連覇を狙ったが、アルゼンチン代表との決勝戦でPK戦の末に敗れ、涙を流した。

それでも決勝の舞台で56年ぶりに2度目となるハットトリックを達成したエムバぺはフランス人2人目の得点王を獲得した。大会前は、ベンゼマ、カンテ、ポグバなど中心選手の欠場で厳しい戦いが予想されたが、エムバぺを中心とした新世代の活躍でカタールワールドカップに大きな足跡を残した。

ワールドカップを終えて、フランス代表がパリに到着すると約5万人のファンが待ち受け温かい歓迎を受けた。

そんなフランス代表だが、今大会を機に様々な世代交代が行われそうだ。

左太腿負傷でW杯を欠場したフランス代表FWカリム・ベンゼマがSNSで代表ユニホーム姿の写真に加え「今日の自分になるために努力と失敗をした。誇りに思う!私たちの物語は終わる」などと投稿し代表引退のニュースが賑わせている。

そして、監督として84年ぶりに2人目の連覇を目指したデシャン監督も今大会で契約が満了とし、後任にジダン氏の内定が噂されている。

そんなフランス代表だが、2026年のワールドカップに向けての展望をしてみると大黒柱としてエムバぺが攻撃をリードし、チュアメニが世界屈指のアンカーとして中盤で存在感を発揮しているだろう。カタールワールドカップでも20代半ばで活躍したデンベレ、エルナンデス、ウパメカノなども選手としての円熟期に突入する。26年で33歳になるポグバもチーム状況やコンディション次第でチームには、欠かせない戦力となるだろう。

最終ラインは、ラファエル・ヴァランが29歳なので次回大会は厳しいかもしれない。今大会を経験した現在24歳のダヨ・ウパメカノが最終ラインを統率するリーダー候補だろう。走巧守が揃ったフランスの大器がどこまで成長するのか見逃せない。特にフランスの場合は若手に優秀なセンターバックが控えている。例えば、リヴァプールのイブラヒマ・コナテやアーセナルのウィリアム・サリバがその筆頭だ。

エムバぺやチュアメニを活かしたフォーメーションを考えると、4-3-3が盤石の布陣だろう。

今大会でも立証されたが、主力の穴を埋める選手がどんどん誕生し、ヨーロッパ一の人材宝庫と言っても過言ではないだろう。ベンゼマの代表引退やジルーの年齢を考えれると新たなセンターフォワードの誕生が必須なのかもしれない。

そこで、国民の期待を背負っているのが、17歳のマティス・テル(バイエルン所属)だろう。NEXTエムバぺの呼び名が高く、前線全体でプレーできる典型的な現代だ。トリッキーなドリブル、年齢を感じさせない戦術眼、ゴールへの鋭い感覚など次回のワールドカップでのブレークが楽しみな選手だ。

18年の歓喜の優勝と22年の届かなった想い、その両軸を経験した絶対的エース・エムバぺ率いるフランス代表が26年のワールドカップで、どんな物語を紡いでいくのか。新たな夢に向かってジダン率いるフランス代表が始動するのか。今後も目が離せないフランス代表に世界中からの視線が注がれるに違いない。

(ABEMA/FIFAワールドカップ カタール 2022)