【カタールW杯|決勝】アルゼンチン 3-3(PK4-2)3フランス/現地時間12月18日/ルサイル・スタジアム/得点:ア=メッシ2(23分/PK、108分)、ディ・マリア(36分) フ=エムバペ3(80分/PK、81分、118分/PK)


【アルゼンチン|採点】
●スタメン
GK
23エミリアーノ・マルティネス 7
 
DF
3ニコラス・タグリアフィコ 6
 
13クリスティアン・ロメロ 6
 
19ニコラス・オタメンディ 5.5
 
26ナウエル・モリーナ 6.5(91分OUT)
 
MF
7ロドリゴ・デ・パウル 7(102分OUT)
 
20アレクシス・マク・アリステル 7(116分OUT)
 
24エンソ・フェルナンデス 6.5
 
FW
9フリアン・アルバレス 6(102分OUT)
 
MAN OF THE MATCH
10リオネル・メッシ 8
 
11アンヘル・ディ・マリア 7(64分OUT)
 
 
●途中出場
MF
8マルコス・アクーニャ 5(64分OUT)
 
DF
4ゴンサロ・モンティエル 6.5(91分IN)
 
FW
22ラウタロ・マルティネス 6.5(102分IN)
 
MF
5レアンドロ・パレデス 6(102分IN)
 
DF
ヘルマン・ペセーラ 6(116分IN)
 
FW
パウロ・ディバラ 6.5(120+1分IN)
 
●監督
リオネル・スカローニ 7.5
 
【アルゼンチン|寸評】
 5-3-2にして守備的に入る予想も多かったものの、4-3-3の攻撃的なシステムでスタート。しかも右サイドと中央で攻撃を作り、左サイドに張らせたディ・マリアに展開する形がハマり、序盤からアグレッシブに攻め立てる。その狙い通りの攻撃から23分にメッシがPKで先制点を挙げ、36分にはディ・マリアが追加点も挙げた。
 
 ただ、64分にディ・マリアを下げてアクーニャを投入してシステムを4-4-2に変えるとバランスが崩れる。最終ラインは下がるが中盤と前線が付いていかず陣形が間延びし、徐々にバイタルエリアを突かれるようになると、いずれもエムバペに80分にPK、81分にスーパーボレーを決められて、試合は振り出しに戻った。
 
 延長の途中から4-3-3に戻してバランスを取り戻し、109分にはメッシがこぼれ球を押し込んで再びリード。しかし118分に再びエムバペにPKを決められ、120分では決着が付かず。運命のPK戦では自軍サポーター側というアドバンテージを活かして4-2で勝利。36年ぶりの世界制覇を成し遂げた。
 
 MOMはもちろん全3ゴールに直接関与し、時折だが鬼気迫るプレスも見せたメッシだ。5回目の挑戦にして、ついに自身にとって唯一欠けていたタイトルを自らの手で掴み取った。
 
 そのメッシの周辺で献身的に走り回って10番を前向きにプレーさせたアルバレス、PK奪取に2点目をゲットと違いを作ったディ・マリア、守備で奮闘しながら攻撃にも顔を出したデ・パウルとマク・アリステル、そして途中出場ながらプレッシャーのかかるPK戦できっちり仕事をしたディバラとモンティエルも賞賛に値する。
 
 一方、中途半端な対応でPKを与えたオタメンディ、そしてまったく試合に入れずミスを連発したアクーニャには厳しい評価を下さざるをえない。
 
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定したこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
 
【フランス|採点】
●スタメン
GK
1ユーゴ・ロリス 6.5
 
DF
5ジュル・クンデ 5.5(120+1分OUT)
 
4ラファエル・ヴァランヌ 6(113分OUT)
 
18ダヨ・ウパメカノ 6.5
 
22テオ・エルナンデズ 5.5
 
MF
7アントワーヌ・グリーズマン 5.5(71分OUT)
 
8オーレリアン・チュアメニ 5.5
 
14アドリアン・ラビオ 6(96分OUT)
 
FW
9オリビエ・ジルー 5(41分OUT)
 
10キリアン・エムバペ 7.5
 
11ウスマンヌ・デンベレ 5(41分OUT)
 
 
●途中出場
FW
12ランドル・コロ・ミュアニ 6.5(41分IN)
 
FW
26マルキュス・テュラム 6.5(41分IN)
 
MF
25エドゥアルド・カマビンガ 6.5(71分IN)
 
FW
20キングスレー・コマン 6.5(71分IN)
 
MF
13ユーセフ・フォファナ 5.5(96分IN)
 
DF
3アクセル・ディザシ 採点不能(120+1分IN)
 
 
●監督
ディディエ・デシャン 6
 
【フランス|寸評】
 試合序盤からタッチライン際に張り続けるディ・マリアの対応に苦心。ウイングのデンベレ、それともSBのクンデが付くのかが曖昧で、スライドが間に合わず、その弱点を突かれて2失点して一気に苦しくなった。初シュートがなんと66分という事実が示す通り、完全に試合のペースを握られた。
 
 ただ、カマビンガとコマンを投入した71分以降は思い切って4-2-4気味に変えて攻め立て、80分からのエムパペの2ゴールで同点に。延長戦でも1-1と食い下がったが、PK戦で惜敗。連覇は叶わなかった。
 
 今大会はどんな相手に対しても上手くスライドしての好守備を見せていただけに、準決勝からの休みがアルゼンチンより1日少ないこと、そしてチーム内でインフルエンザに近い症状が流行したうえ、怪我を抱える選手も多く、最終的にはコンディションの差が出た印象は否めなかった。
 
 それでもここまで僅差の勝負を演じられたのは、やはりエムパペの活躍があればこそ。今大会ずっと黒子として自信を支えてくれたジルー、デンベレ、グリーズマンが次々にピッチを去る中、PK2本にスーパーボレーでハットトリックと流石のクオリティーを見せた。W杯ファイナルでの3ゴールは、1966年大会のジェフ・ハースト(元イングランド代表)以来、史上2人目だ。
 
 また、コロ・ミュアニ、テュラム、カマビンガ、コマンという途中出場組も流れを変える特大の貢献。コロ・ミュアニは延長終了間際の決定機、コマンはPKの失敗が悔やまれるが、いずれも相手GKを褒めるべきだろう。
 
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定したこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
 
取材・文●白鳥大知(サッカーダイジェスト特派)

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