カタール・ワールドカップはアルゼンチンの36年ぶり3回目の優勝で幕を閉じた。リオネル・メッシが悲願だった世界王者の称号を手にし、キリアン・エムバペが驚異的なパフォーマンスを見せた歴史に残るファイナルの激戦ぶりは、多くのファンの心に深く刻まれたことだろう。
ただもちろん、ファイナルに至るまでにも数多くの印象的なシーンがあった。イタリア紙『Corriere della Sera』は12月18日、ファイナルを前に大会の「忘れられない瞬間」を選出。11の光景のひとつに、「日本の敬意」を取り上げた。
開幕戦から、日本のリスペクトは世界で称賛された。サポーターがスタジアムのスタンドのゴミを拾う姿に惜しみない賛辞が寄せられたのだ。一方で、日本代表チームが試合後にロッカールームをきれいに片づけてから後にする様子も絶賛された。
ラウンド16でPK戦の末にクロアチアに敗れ、目標だった史上初のベスト8進出を果たせなかった森保一監督が、サポーターに深々と頭を下げたことが話題となったのも記憶に新しい。
【画像】世界的な反響を呼んだ森保監督のお辞儀
Corriere della Sera紙は「ドイツ戦のセンセーショナルな勝利後、ロッカールームを清掃し、完璧に片づけて(中央のテーブル付近にはシーツが畳まれ、未開封の食べ物や水のペットボトルをそろえて)去った日本選手の振る舞いは、世界から称賛された」と報じた。
「日本サッカーの向上は分かっていた。だが、クロアチア相手にPK戦で敗れたあとのモリヤス監督の深々としたお辞儀を忘れることはできないだろう。謝罪と応援への感謝、国を代表した誇り、そしてこの国をしばしば押しつぶすいつもの義務感も示すやり方だった」
なお、同紙がそのほかに選出した「忘れられない瞬間」は以下のとおりだ。
・ジャンニ・インファンティーノFIFA会長の開会スピーチ
・国歌を歌わなかったイラン代表
・サウジアラビア戦でのアルゼンチンの黒星
・スペインとドイツの落胆
・リシャルリソンのオーバーヘッドと幻影に終わったブラジル
・クリスティアーノ・ロナウドの涙
・アフリカ勢初の準決勝進出を果たしたモロッコ代表
・ロメル・ルカクが失敗した4つのゴールチャンス
・リオネル・メッシのドリブル
構成●サッカーダイジェストWeb編集部