FIFAワールドカップカタール2022を制したアルゼンチン代表を祝福して、DFニコラス・タグリアフィコ(リヨン/フランス)の古巣であるクルブ・アトレティコ・バンフィエルドが、同選手をソシオの名誉会員に認定した。

 アルゼンチン代表は18日に行われたフランス代表との決勝戦をPK戦の末に制し、36年ぶり3度目の頂点に立った。既にカタールから帰国したアルゼンチン代表の一行は、母国の首都ブエノスアイレスで優勝パレードに参加。熱狂的なファンたちの影響でバスはなかなか進むことができず、警備上の理由から途中で終了していたが、アルゼンチン国内は未だに冷めやらぬ興奮に包まれている。

 アルゼンチン代表選手のほとんどがヨーロッパでプレーしているが、今回のワールドカップ優勝を受け、国内のクラブチームもSNSなどでかつて所属していた選手たちへ祝福のコメントを出している。そんな中、面白い対応を実施したのがバンフィエルドだ。かつて元アルゼンチン代表DFハビエル・サネッティ氏や同FWロドリゴ・パラシオ氏、さらにはコロンビア代表MFハメス・ロドリゲス(オリンピアコス/ギリシャ)などがプレーしていたことでも知られるアルゼンチンの古豪は、今回の代表チームではタグリアフィコがプレーしていたクラブだ。

 現在30歳のタグリアフィコは、プロキャリアをスタートさせたクラブがバンフィエルドだった。レアル・ムルシアへのレンタル移籍を挟んでインデペンディエンテへと完全移籍し、その後はヨーロッパへと渡ってアヤックスやリヨンでプレー。バンフィエルド時代にA代表に招集されることはなかったが、2017年のデビュー以降はコンスタントに代表招集を受け、前回のロシア大会や2度のコパ・アメリカにも出場している。

 そんなバンフィエルドは今回、タグリアフィコがワールドカップ優勝メンバーの一員となったことを受け、同選手をソシオの名誉会員に認定した。ソシオとは、一言で言うとクラブ会員のこと。同クラブの公式Twitter(@CAB_oficial)は21日、タグリアフィコがワールドカップトロフィーにキスする画像が合成された会員証の画像を公開。「バンフィエルドはあなたにとっての全てが始まった、あなたの魂の宿るクラブです。そのようなクラブとなったことを、我々は誇りに思っています」と記した。

 今大会、タグリアフィコはグループC第2節のメキシコ代表戦を除く6試合に出場。初陣のサウジアラビア代表戦に先発して以降はマルコス・アクーニャ(セビージャ/スペイン)に代わって出場することが続いたが、同選手が累積警告で出場停止となった準決勝のクロアチア代表戦でスタメンに復帰。決勝戦でもそのままスタメン起用され、フル出場を果たしていた。

【画像】タグリアフィコの会員証