ユニフォーム交換の一幕がピッチ外で発展した

決勝では前半41分に途中交代となってしまったものの、ワールドカップ・カタール大会でフランスの準優勝に大きく貢献したFWオリヴィエ・ジルー。大会中にオーストラリアのFWジェイソン・カミングスと行き違いがあったが、この問題は無事解決したようだ。
 
事件が起きたのはフランスが4-1で勝利したグループステージ初戦のオーストラリア戦。この試合に56分から途中出場したカミングスは、試合後ジルーにユニフォーム交換をお願いしたのだが、ジルーは英語を話せないフリをしてそのまま通り過ぎてしまったという。カミングスはオーストラリアのトーク番組に出演した際にこのエピソードを披露しており、瞬く間に世界へと広がった。
 
その後、ジルーはTwitterを介してこの件に反応。彼はカミングスのチームメイトであるMFジャクソン・アーバインのユニフォーム画像を載せつつ、「やあ、ジャクソン・アーバイン。僕の英語友達の調子はどう?」というメッセージを、泣き笑いの絵文字と共に投稿した。
 
これに対しアーバインは「なんて男なんだ(笑) 僕たちがヘアケアのルーティーンについて情報交換したことは確かだよ」と返答。さらにアーバインは、ジルーのユニフォーム画像もTwitterに投稿しており、ジルーがカミングスではなく、アーバインとユニフォーム交換を行っていたことが明らかになっている。
 
このような一連の流れがあった後、ジルーはカミングスに直接コンタクトを取ったようで、英『Daily Mail』によれば、カミングスがこれを明かしている。ジルーに言葉が通じなかった原因は、カミングスがスコットランド出身のオーストラリア代表選手だったことにあったようで、その真相を語った。
 
「彼はおそらく、僕がスコットランド語を話すから理解できなかったんだろうし、僕は時々ちんぷんかんぷんなことを言ってしまうんだ。彼がただ単に僕のことを理解していなかったのか、別のところに原因があったのか、それは定かではないけど、ただの誤解だったんだ』
 
「でも、もう全部解決した。実は昨日、今回の主役オリヴィエ・ジルーからのメッセージで目が覚めたんだ。彼は実際にインスタグラムで僕にメッセージをくれたんだけど、彼が素晴らしい奴だってことがわかった」
 
「彼はACミランのジャージを送ると言ってくれたし、誤解を生んだことやいろいろなことについて申し訳ないと言ってくれた。彼が素晴らしい奴だということがわかるよね。そして僕も(所属先のセントラルコースト・)マリナーズのジャージを送ると言った。僕たちは実際に最高の友達になったんだ。だから、最後には笑ってしまった」
 
ピッチ上では、最前線で起点となりつつ計4ゴールをあげる活躍を見せた今大会のジルーだが、この一件への対応も見事だったと言えそうだ。自らのイメージを損ねることなく、ハッピーエンドを迎えることができて何よりだろう。