パリ・サンジェルマン(PSG)に所属しているフランス代表FWキリアン・エンバペが、決勝戦で涙を飲んだFIFAワールドカップカタール2022、そしてリーグ・アン再開初戦のストラスブール戦について語った。フランスメディア『レキップ』が28日に同選手のコメントを伝えている。

 リーグ・アン第16節が28日に行われ、PSGはホームにストラスブールを迎えた。カタールW杯後の初陣となった一戦は、14分にブラジル代表DFマルキーニョスのゴールでPSGが先手を取る。しかし、後半に入るとオウンゴールで同点弾を献上しただけでなく、62分にはブラジル代表FWネイマールがシミュレーションでこの日2枚目のイエローカードを提示され、退場処分に。PSGは数的不利になりながら勝ち越しを目指すこととなった。1-1のまま後半アディショナルタイムに突入し、このままドローで試合終了かと思われた90+6分、ボックス内に侵入したエンバペがPKを獲得する。このPKをエンバペがしっかりと決め、PSGは中断明けの初戦を白星で飾っていた。

 18日にフランス代表の一員としてカタールW杯決勝戦を戦っていたエンバペだったが、そこから72時間足らずでPSGに合流。ストラスブールとの一戦でもフル出場を果たしてチームを勝利に導くなど、クラブに戻っても“エース”の役割を全うしている。エンバペは試合後、「W杯期間中からPSGの監督や経営陣と話し合い、まずはチームにとって、そして僕にとって何がベストなのかを考えていた。決勝戦の前には、結果がどうなろうとこの試合には間に合わせることは伝えていたんだ」とコメント。「非常にシンプルで、フランス代表がどうなろうとPSGとは別の話だ。僕はPSGですべてのトロフィーを勝ち獲るための努力をしなければならないのだから」と続け、PSGに“早期合流”を決めた背景を明かした。

 また、エンバペはアルゼンチン代表に敗れて失意を味わったW杯決勝戦の経験について、「乗り越えられないと思う」と率直な心境を吐露。「フランス代表での失敗の代償をクラブが払う必要はない。PSGはフランス代表の敗北と関係がないのだから。僕自身はできる限りポジティブに、最高のエネルギーを持って戻って来ようと思っていた」と続け、クラブと代表は別物であるという考えを強調している。

 劇的逆転勝利を飾ったストラスブールとの一戦については、「僕たちは自分たちを信じ、プッシュし続けた。ちょっとした運が味方をすれば勝ち越せる試合だとは思っていたし、それが試合の終盤に実現した。結果には満足しているよ」と話した。