元日本代表DFの田中マルクス闘莉王氏が12月30日、自身のYouTubeチャンネルを更新。ゲスト出演した元日本代表FWの城彰二氏から、1998年のフランス・ワールドカップ後のエピソードを聞き出した。

 闘莉王氏は、フランス大会後に帰国した際に城氏が水をかけられた話を振った。「ずっと聞きたくて、聞けなかった」という。

 同大会で城氏はエースストライカーとして期待されたが、無得点。日本代表は3戦全敗を喫して、グループステージで敗退した。また、プレーの質向上のために試合中にガムを噛んでいた点も誤解されて、批判の対象になった。

 闘莉王氏は“水かけ”に対して、「日本人がやりそうな行動じゃないな。勝ち負けに関係なく、男と男、人間と人間のリスペクトがあっての日本だから」と訴える。
 
 城氏は当時を「自分でもびっくりした」と率直に語る。そして、日本のエースだった三浦知良がメンバーから外れた不満と「合体して、多分ああいうことになった。それだけ期待されていた」と推測。「でも、そのくらい熱狂して見てくれたのは、今まで日本の歴史にはない。だから俺は良かった」と振り返った。

 一方、激しいバッシングから「殺されると思った。外に出るのも怖かった」という。また、当時のマネージャーの愛車が燃やされ、自宅がいたずら書きされる被害もあり、「警察が1か月くらい、ずっといてくれた」と明かした。

「悩んだし、もうこれでサッカーを辞めなければいけないのか」と思った城氏だが、「ここで逃げたら終わっちゃうし。応援してくれたんだから、もう一回やらなきゃ、という思い」で現役続行したという。

 そんな城氏に対して、闘莉王氏は「勉強になります」と頭を下げる。「僕だったら、どういう行動に出るか分からない」「城さんほど、きれいな心ではないから」と感心していた。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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