「僕がセコンドだったらタオルを投げてますね」
 魔裟斗がそう話すほど、圧巻のKO劇だった。精密機械のように正確無比な打撃が終始降り注ぐと、最後は左ハイが右のテンプル付近を直撃。あまりの衝撃に一瞬、身体が硬直し、真っすぐ伸びたまま真横に崩れ落ちた。1ラウンド2分3秒の出来事だった。