華々しい活躍を見せ続ける天才棋士と盤を挟んだベテランが、その一手に生き様を見せた。8月4、5日に行われた王位戦七番勝負の第3局。最年少タイトルホルダー藤井聡太棋聖(18)が最年少二冠・八段昇段に王手をかける勝利を手にしたが、対局後のインタビューでは「負けにしてしまったかもしれないと思っていました」と反省をした。藤井棋聖が大優勢の局面から一転、互角以下に追い込まれたのは、“千駄ヶ谷の受け師”木村一基王位(47)による根性の受けがあったからこそ。100回折れてもまた立ち上がる。そんな精神の持ち主が放った一手に、解説を務めた朋友の棋士も感動の声をあげた。