大相撲は“広がり”が期待できるコンテンツ
―― 『ABEMA大相撲LIVE』協賛の背景やきっかけについて教えてください。
高木幸子氏(以下、高木):
当社は「タカラレーベン」として、2018年から『ABEMA大相撲LIVE』に協賛させていただいています。その後、創業50周年となる2022年に向けて、2021年から特別協賛という形に切り替えました。
ABEMAに対しては「好きな時間に、好きな動画を、好きなタイミングで観られる」というところに魅力を感じていて、地上波ではリーチできない視聴者層を囲い込んでいきたいと思いチャレンジしました。リーチしたい層にしっかりターゲティングしたうえで、その方たちに繰り返し視聴いただけるので、2022年に行った社名変更(及び持株会社化)による新社名や新たに策定したパーパスの浸透を行っています。
―― パーパスブランディングが目的であれば、相撲以外のスポーツや音楽や芸術など様々なコンテンツもあります。「大相撲」を選んだ狙いは?
高木:ABEMAにはたくさんのコンテンツがありますが、当社としてはとくに文化やスポーツへの協賛に力を入れています。そのうえで大相撲は日本の国技であり、最近では海外のファンも増えていますよね。

それに私自身も『ABEMA大相撲LIVE』が大好きでよく見ているんです(笑)幼い頃から家族で大相撲中継を観ていたので、私にとって大相撲は身近な存在でしたが、昔はどこか年配の方が観るスポーツという雰囲気もあったように思います。でも、ここ数年でコネクテッドTVが普及し『ABEMA大相撲LIVE』も地上波と同じような感覚で、手軽に視聴しやすくなりました。これから大相撲の人気はご年配の方々だけではなく、若い層への広がりも期待できると考えています。
――パーパスブランディングの強化という課題に対して、具体的にどのような提案をされたのでしょうか?
土屋龍太氏(以下、土屋):年間の冠協賛という形で、番組内のCMやインフォマーシャルの他、番組ビジュアルへのロゴ掲載、各取り組み前の社名ロゴ差し込みなど、視聴者に違和感やストレスを与えることなく、企業ロゴを放送中に色々なところに掲出する方法を考えました。

MIRARTHが『ABEMA大相撲LIVE』に協賛しているという印象、カジュアルに言うと“やってる感”をいかに出していくか。とにかく多く露出させるということを最も意識しました。番組側と協力し、UIの視認性を高めるとともに潜在意識に刷り込みをする手法を取りました。
高木:たしかに『ABEMA大相撲LIVE』を視聴していたら、本当に多くのCMやロゴを目にしました(笑)あれだけ繰り返し目にすると、ABEMAユーザーや大相撲ファンにもしっかり伝わるだろうなという実感を得ることができました。
番組とのタッグでユーザーに“応援される”企業へ
――施策によって、狙いや目的は達成できたのでしょうか?
土屋:社名認知という点ですと、まず協賛当初の社名であった「タカラレーベン」については番組非視聴者つまり一般市況に近いものが54.8%なのに対して番組視聴者は86.8%と30%以上のリフト、さらに途中から特別協賛という形に切り替えた「MIRARTHホールディングス」については番組非視聴者が6.7%なのに対して番組視聴者は67.3%となんと60%以上もリフトしています。また、『ABEMA大相撲LIVE』は協賛企業に対するイメージが多くの視聴者の中で「良くなる」というデータがあるのですが、実際に番組視聴者の半数以上がMIRARTHを応援したいと答えており、イメージの変化がしっかり出ている結果となっています。
高木:中継中に視聴者のコメントを見てみると「MIRARTHの株を買いました」「協賛してくれてありがとう」といった嬉しい声もたくさん上がっていましたね。
土屋:ユーザーのなかで「『ABEMA大相撲LIVE』をMIRARTHホールディングスが支えてくれている」という感謝や応援の気持ちが育まれているのを感じます。ABEMAは、仕事の合間や移動中に視聴することもできるので、ユーザーがそういう便益を感じるたびに『ABEMA大相撲LIVE』とそれを支えるMIRARTHホールディングスへの好意度が上がるという良い流れができてきています。

施策を続けていれば企業認知は上がるものですが、それ以上にMIRARTHさんの場合は、企業の好意度やユーザーの「MIRARTHホールディングスを応援したい」という気持ちが高まっています。その理由として『ABEMA大相撲LIVE』は熱狂度の高い熱心なファンが多く、それ故にその番組を支えてくれている企業様に対する反応も大きなものになるのかなと思っています。
高木:肌感としても、単純な社名認知だけではなく、番組を通してユーザーと質の高いコミュニケーションを取れていると感じています。
7年間ABEMAさんと一緒にやってきたことで、社名認知は右肩で上がってきています。当社がタカラレーベンからMIRARTHホールディングスに変わったということは一般の広告物では伝わりにくいのですが、『ABEMA大相撲LIVE』の視聴者は既にタカラレーベンを認知してくれているので、MIRARTHホールディングスに変わったこともスムーズに、スピード感をもって理解を促進することができました。また、継続協賛してきているのでグループ全社内においてもABEMA協賛への認知と理解が広がってきています。インナーブランディングや社内での好意度にも寄与できています。
スポーツ協賛は“社会貢献活動”として継続すべき
―― 2023年度の成果を踏まえて、2024年度以降に新たに取り組んだことはありますか?
土屋:2023年度は「『ABEMA大相撲LIVE』の番組内でどれだけ露出を増やすか」でしたが、2024年度はそれぞれの施策にアップグレードが必要でした。現在もカップリングCMやインフォマーシャルなど、新たな仕掛けを増やし続けているという段階にあります。
高木:MIRARTHホールディングスとしても、2024年度以降は社名だけではなく、当社の姿勢や取り組みをより具体的にお伝えすることに注力しています。パーパス推進プロジェクト「MIRAI for EARTH」を立ち上げて取り組み、当社が不動産事業だけではなく、エネルギーやアセットマネジメントなど幅広く着手しているということを皆様に知っていただくべく、この1月から新しいCMを展開しています。
――一連の施策での成果や手ごたえを踏まえ、スポーツ協賛で得られるメリットはどのようなところにあるとお考えですか?
高木:文化やスポーツは社会的に意義のあるコンテンツです。大相撲に限らず、大切な日本の資産や文化に協賛していくことで社会全体が明るく元気になり、最終的により良い社会につながっていく。一つの社会貢献活動としてとらえて継続していくことが大切だと思っています。
また一方で、大相撲ファンの方が現地観戦のついでに東京にある当社のマンションサロンや大阪の「HOTEL THE LEBEN OSAKA」を知って当社の取り組みへの理解をより深めていただけるなどの副次的なメリットもあるのではないかと考えています。
―― ABEMAはスポーツを放送する立場として今回の取り組みをどう捉えていますか?
土屋:ABEMAとしてもMIRARTHホールディングス様と同様にスポーツを応援するということ自体に社会的意義を感じていますが、もし視聴を有料化してしまうとそれが視聴者に広く伝わらなくなってしまいます。ABEMAが果たすべき役割はユーザーへの無料視聴機会の提供であり、そのためには今回のMIRARTHホールディングス様のように協賛企業様に入っていただくことが欠かせません。ですのでスポーツが持つ視聴規模やコンテンツ価値を協賛企業様に最大限還元できるよう引き続き努力し、一緒に盛り上げていくことが大切だと改めて感じています。
大相撲という“カルチャー”を広く世の中へ
――2025年度以降の取り組みについての方向性や、予定などがあれば教えてください。
高木:MIRARTHとしては、「発信期」から「理解期」のタイミングに入っています。より具体的な事業内容をファンの皆様に知っていただく仕掛けを強化していきたいです。
ABEMAさんとの取り組みは、いい意味で「何でもやってくれる」のがありがたいですね(笑)。最初は当社がやりたいことをお伝えして、各所との折衝含め、一緒に作り上げてきました。これまでの成果に満足せず、ここから先、どう進化していけるか。前を向いて一緒に歩みを進めていけたらと思います。
土屋:ABEMAのアセットを活用して、より様々な取組をさせていただきたいと思っています。また、大相撲という日本のカルチャーをMIRARTHさんと一緒に世の中にもっと広めていきたいですね。現在も放送のゲスト解説に女子レスリングの吉田沙保里さんや大学駅伝でおなじみの青山学院大学 原晋監督を起用し、相撲ファン以外のユーザーにもリーチを広げています。視聴の枠を広げることが、MIRARTHさんへの還元にもつながると思っています。多角的な形でともに取り組んでいければと思います。
ABEMA大相撲LIVE https://abema.tv/video/title/394-70
ABEMAでは、大相撲全6場所90日間、完全生中継。
誰もが自由に楽しめる大相撲を目指し、斬新かつダイナミックな映像で取組の様子をお届け。オリジナルの力士紹介VTRや独自解説者の起用など「ABEMA」ならではの新しい大相撲LIVEを放送。
◆高木幸子氏
MIRARTHホールディングス株式会社 コーポレートコミュニケーション室 室長 ※取材当時
◆土屋龍太氏
株式会社AbemaTV 広告本部チーフプランナー
「ABEMA」はテレビのイノベーションを目指し"新しい未来のテレビ"として展開する動画配信事業。
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