―「ABEMAエンタメ」として継続的に実施していたインタビュー企画を2024年12月から「NO MAKE」というタイトルとし、それまで以上に多くの方々を紹介されてきました。「NO MAKE」が生まれた経緯は、どんなものでしょうか。

北山氏 もともとインタビュー企画は実施していましたが、その際にいろいろな人の意外な一面であったり、話されている内容を実際の姿で見てみたいと思うことが多くありました。「ABEMAだったら、よりディ-プに個人に密着して深堀った番組に挑戦できるのではないか」ということで、この企画を始めました。

―実際に取材を受けられた方からの反響などはどうでしたか。

佐々木氏 プリンセス天功さんは、この企画をきっかけに地上波のオファーもすごく増えたと、ご本人サイドから聞きました。もう今では「プリンセス天功=埋蔵金」みたいになっていますが(笑)。VTRを見た人に、そのタレントさんを好きになってほしいとも思ってやっているので、それはすごくうれしいですね。

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https://abema.tv/video/episode/89-116_s35_p361

北山氏 (新型コロナウイルスで人工透析、車いす生活になった)ハチミツ二郎さんからもありましたね。これはYouTubeですごく反響が出ました。ご本人はどう見られるかすごく不安だったようなのですが、娘さんや学校のお友だちも目にしたようで「すごく良かった」と言ってもらえたと娘さんから聞いて、それがすごくうれしかったとおっしゃっていました。

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https://abema.tv/video/episode/89-116_s35_p355

佐々木氏 取材をする上でオファーをする理由はいくつかあるのですが、そのうちの1つに「誤解をされている人」に着目することがあります。人生、山あり谷ありだとは思うんですが、どうしても谷の方が注目を集めてしまって、でもその人の本質はそこではない。この人には本当はいいところがあるのに、誤解をされている点、みんなが知っている人の知らない部分にスポットライトを当てることが多いです。

北山氏 メディアを通じて芸能人を見ている人たちにとって、自分たちには手が届かないキラキラした部分を追い求める傾向があるし、ある種、偶像として楽しんでいる部分もあります。「NO MAKE」では、そのキラキラが日常ではなくて、芸能人たちも普段は思い悩むこともあるし、いろいろ苦労しているという等身大、共感できる部分を深堀りできているのが特徴だし、視聴者にも共感してもらえているのかもしれないですね。

西尾氏 活躍の場がメディア以外にも広がりを見せていますし、あえてメディアを選んでいない人もいます。そういう人たちが出演したいと思えるような出演者に寄り添った番組作りを心がけています。結果、出演者からの信頼を得て素を垣間見せてくれるので視聴者が共感して見やすい、感情移入しやすいのかなと思います。メディアに出なくなったからといって、その人が終わったわけじゃないし、逆に言えば、そこからが始まりということにも、関心を持ってもらえると思ってやっているところはあります。

―実際に地上波と「ABEMA」のようなインターネット動画配信サービスを両方手掛けているみなさんから見た違いはどんなところにありますか。

西尾氏 いとうまい子さんに密着した回では、「60歳で大学教授になられたいとうさんの初講義」を取材しにメディア各局が来ていましたが、ご本人が話していた芸能界での性被害、性接待の話は、「ABEMA」以外ではあまり多く扱われなかった。もちろんVTR尺の制限などもあると思いますが、僕らは取材対象者が一番訴えたいことを深掘りして、そこにしっかりと時間を割くことを目指しているので思い切りやれたし、反響もありました。いとうさんが一番言いたかったのは、性加害の実態だったろうし、そこで本人に寄り添えたり、本人の言いたいことを伝えられたのは良かったと思っています。

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北山氏 そこには取材する側とお相手側の信頼関係も必要です。いろいろなことに忖度をし過ぎて「これって聞いちゃいけないよね…」ということは、あまりないようにしたいと思っています。「これってこうなんですか」とちゃんと聞けるように心がけています。

佐々木氏 やはり聖域のある取材というのは、視聴者にとって正しくない報道姿勢だとは思いますし、かといって取材される側をないがしろにしてもいけない。だから取材を申し込む際には「VTRを見た人があなたのことを好きになるように最大限番組作りをさせていただきます」と説明しますし、視聴者が気になっているセンシティブな質問をあえてぶつけさせていただくこともあります。

西尾氏 取材の中で、ご本人に新たな気づきが生まれることをゴールにした聞き方をすることもあります。ご本人が持っている固定観念のようなものを1回、解きほぐすイメージというか、ロケの中で自分自身の新たな発見や変化が生まれたらいいなという想いで挑んでいます。この企画は「インタビュー」中心ではあるけれど、実際には「対談」のつもりでやっています。もちろん僕ら取材者は映らないけれど、自分の経験や考えも伝え取材者のことも知ってもらうなど双方向のコミュニケーションを意識しています。聞き手に回るというより会話をしているから、気づきが生まれるとともに心を開いてくださりやすいのだと思います。

―多くの取材をされているみなさんでも、また違うパターンで取材をされていることがよくわかります。

北山氏 以前、取材を申し込んだ時に、一度はNGだった方がいたんです。ただ「過去のVTRを見てください」とお願いをしたら、後で「これなら受けてもいいかな」とOKを出していただけました。そういうケースは割と多いです。「密着取材」というと、何かゴリゴリとやられるイメージがあるのかなとも思うのですが、先ほどもお伝えしたとおり、VTRを見終えた後に、「いかに視聴者の方にその人を好きになってもらえるか」を私たちは大事にしています。その人の魅力を最大限引き出せるVTRにしようと心がけています。やりすぎないという意味では「ちょうどいい」という言葉が一番しっくり来るんですけどね。

佐々木氏 「明日、誰かに話したくなる」というテーマでやっているので、視聴者にとって話題のタネになる要素をできるだけ入れようとしています。たとえば先にお話しをしたプリンセス天功さんも、埋蔵金のところを最初はカットしようと思っていました。ただ僕個人にとっては興味を惹く情報ではなかったのですが、他の誰かには必要なことが世の中にはたくさんあるとVTRに入れ込みました。その情報を受け取る人を想像してできるだけ丁寧に、かつパイも広めに作っている部分はあります。

北山氏 スタッフも年代、性別が全然違うので、作るものもいろいろな要素が入っている方がいいと思いますね。うちは老若男女問わず楽しめる超有名な某テーマパークみたいなものを目指しているので(笑)。たとえば井手らっきょさんの回であれば、「たけし軍団」として大活躍されていた当時を知る世代は40~50代だと思いますが、それを20~30代のスタッフが中心になって作っている。むしろ、その世代が井手らっきょさんをどう面白く感じるかを紐解くあたりも、作っていて面白い部分でもあります。

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―最後に、今後の「NO MAKE」が目指すもの、将来像をお願いします。

北山氏 月並みですが、もっとたくさんの人に愛される、見てもらえる番組にしていきたいと思います。電車の中で「昨日のNO MAKE、見た?」という会話が自然と出てくるような、大きなものにしたいです。

佐々木氏 取材を受けていただく側には、僕らからのオファーはラブレターだと思ってほしいです。「世の中がまだ気づいていないけれど、あなたにはいいところや面白いところがたくさんあって、もっと愛される要素があるんです」というメッセージでもあるので。

西尾氏 今はインタビューベースの番組ですが、どうしても言葉では欺ける部分、伝わりきれないこともあると思います。本音は行動に表れると考えているので、もっとその人の表情やクセ、身体的サインからもその人が描けるようなことにはよりチャレンジはしていきたいと思います。

―ありがとうございました。

ABEMAエンタメ『NO MAKE』

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 「NO MAKE」では、俳優・タレント・アーティスト・モデルの素顔に密着。表舞台に立つ人の、知られざる過去とそれを受け止めた"イマ"に迫ります。また、ABEMAエンタメ独自の切り口でピックアップした芸能人のSNSをニュース動画でご紹介。さらにオリジナルインタビューも配信中です。見れば、きっと…「あの人を、話したくなる」

◆北山温子 プロデューサー

テレビ朝日映像入社後、「ワイド!スクランブル」「やじうまテレビ!」などの報道番組や「鉄道捜査官」などのドラマ制作を経験。2021年からはABEMAエンタメのプロデューサーを務める。

◆西尾良介    チーフディレクター

「大下容子 ワイド!スクランブル(テレビ朝日)」「千原ジュニアのキング・オブ・ディベート(ABEMA NEWS)」など報道・情報バラエティー番組でチーフディレクターを担う。直近ではアイドルグループtimeleszのオーディション番組「timelesz project(通称:タイプロ)」においてチーフディレクターを務めた。

◆佐々木祐麻 チーフディレクター

報道・情報番組を担当後「ABEMA」開局に携わる「原宿アベニュー/けやき坂アベニュー(ABEMA NEWS」の立ち上げや「アベマde週末ボートレース(AbemaTV)」でチーフディレクターを担当。

「ABEMA」はテレビのイノベーションを目指し"新しい未来のテレビ"として展開する動画配信事業。

ニュースや恋愛番組、アニメ、スポーツなど多彩なジャンルの約25チャンネルを24時間365日放送。CM配信から企画まで、プロモーションの目的に応じて多様な広告メニューを展開しています。

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