◆ハミガキを「義務」から「恋の準備」へ。若年層の心理に入り込む「自分ごと化」の文脈設計

―これまで「オーラツー」ではヒットアニメや人気アーティストとタイアップする形でCMを制作し、全方位に認知を広げてこられました。今回、タイアップ先として『今日好き』を選んだ理由はなんでしょうか?

渡邉氏 若年層の多くの方たちにとって、ハミガキをするという「日常の行動」は「義務的な衛生習慣のひとつ」として捉えられています。どうしたら若年層がポジティブにハミガキというセルフケアと向き合ってくれるのか--それは当社だけではなく、オーラルケア業界全体として長らくの課題でした。

また、10代はブランドを知ってもらうこと自体はできても、それを自分の生活に取り入れる「自分ごと化」へのハードルが非常に高いんです。この層に対して、いかに「自分たちのためのブランドだ」と確信してもらうか。そこはサンスターとしての大きなハードルでした。 

そんな中、『今日好き』とのタイアップを決めた理由は“ハミガキ=義務的”という文脈を変えることにチャレンジしたいという思いからでした。つまり若年層にハミガキを“自分ごと”として捉えてもらうことに挑戦したかったのです。最初は『今日好き』ならではの世界観にサンスターの商品を絡めることで、若者の気持ちを動かせるのではないかというご提案をABEMAさんからいただき、このプロジェクトが走り始めました。 

松尾氏 田仲埜愛さん、國本陽斗さんに登場いただいたCM「ハニーレモンは恋の味」(2025年9月公開)は日々のハミガキが、2人の距離を縮めるきっかけとなり、幸せなハミガキタイムが学校生活とともに展開されるストーリーとなっています。CMを見ていただいた方に“ハニーレモンミントってどんな味なんだろうな?昼磨きをするってどういう感じなんだろうな?”と想像していただくことを意識してクリエイティブチームと相談しながら制作しました。 

『今日好き』は若年層に非常に人気が高い番組という点に加え、メンバーそれぞれが視聴者に近い距離で応援されているところも大きな魅力です。そんな中で「ハミガキが日常の大切な習慣であること=自分ごとであること」を学校生活のストーリーに乗せて伝えることを意識しました。新しいフレーバーと『今日好き』を上手く紐付けることができたことで、番組ファンの満足度も高められたのかなと考えています。 

―当時、どういうきっかけで「ハニーレモンミント」が開発されたのでしょうか? 

渡邉氏 元々、当社では様々なフレーバーを研究チームが常に開発しています。一方でアンケート調査も定期的に実施し、“どんな味がこの層に刺さるのか”という消費者理解も並行して進めています。そんな中で「ハニーレモンミント」が若年層と相性が良いということがわかり、定番商品化に至りました。 

そんな中「ハニーレモンミント」のローンチに際し、“恋の甘酸っぱさ”という文脈を追加して、そういった要素を上手くCMに昇華することができました。結果、大きな反響が得られ、若年層の獲得に繋がったと考えております。 

◆SNSから店頭まで「生活圏」を網羅。10代女性の66.0%を動かした多面的な接点作り 

―若年層は特に消費行動が多様化し情報が届きにくいという課題があるかと思いますが、タッチポイントを作り広げるという点においてABEMAはどのような工夫を行ったのでしょうか? 

松尾氏 今回、CM制作だけでなく、実際の売り場にいるお客さまに訴えかけるような音声広告や、メンバーのコメントが入った店頭用動画も制作しました。『今日好き』と「オーラツー」がタイアップしていることが一目瞭然で理解できる汎用性の高いアイテムを多数用意したのは、工夫したポイントです。 

加えて演者自身がSNSで「オーラツー」に関する投稿をしてくれました。演者が実際に使っていることを発信してくれたことは、目に触れた方々が“自分ごと”として捉えることができる大きな要因の一つだったと感じています。 

CMソングを書き下ろしていただいた2人組ロックバンド・セカンドバッカーさんもご自身のSNSで「オーラツー」に関する発信を行ってくださいました。CMに関わったメンバー一同が「オーラツー」を盛り上げようとしてくれたのが成果として非常に大きかったと考えています。ABEMAとしては“売り上げを作る”というよりも、“人を動かす”部分で貢献ができたかなと考えています。

◆認知向上を上回る「購入意向+31.5pt」。データが証明した、文脈による態度変容の威力

―そしてCM公開後のデータでは、広告接触者においてブランド認知が+17.6pt向上したことに加え、購入意向が+31.5ptと爆発的に伸びています。さらに10代女性の行動率が66.0%という数字も叩き出していますが、この結果をどのように分析されていますか?

渡邉氏 非常に高い結果が出たと考えています。過去にも様々なIP(知的財産)と絡めた施策を行ってきましたが、それらと比較してみても、大きなジャンプアップだったと感じています。このようなわかりやすい跳ね方はこれまでなかったですし、当社としてもインパクトの大きい数字であると受け取っています。

正直に申し上げると、このプロジェクトに携わった当初、私自身『今日好き』について、「何となく番組名を聞いたことがある」程度の認識で、どれだけの人気があるのかは正確に把握できていませんでした。そんな中で、実際にこのプロジェクトが走り始めると、当社の役員や管理職の面々が「ウチの子が見ているよ」などと反応してくれました。 

CM公開後のデータでは10代女性の半数以上が具体的な行動(検索・購買など)を起こしたことがわかり、戦略が正解だったと確信することができました。ひとつの若年層攻略の突破口を見つけた感覚があります。また先ほど申し上げた通り、社内の反響も大きく、肌感という意味でも、非常に高い影響力を感じました。

松尾氏 ありがとうございます。今回は『今日好き』の文脈に深く潜り込んだことで、認知の先にあった「自分ごと化」へのスイッチをダイレクトに押せたことが、実売154%増という結果を支えていると考えています。『今日好き』は数字的なインパクトで見ても大きく、なにより番組発のイベント「青春祭 by 今日、好きになりました。」(以下、「青春祭」)」や、プレゼント応募キャンペーンなど、さまざまな施策を通じて『今日好き』ファンの熱量が高いことがわかっていました。サンスターさんとのタイアップでも、そういった『今日好き』の魅力がきちんと伝わり、延いては実際に商品を置いていただく流通さんにも熱が伝染していったのを感じることができました。その点はABEMAにとっても非常に良かったポイントです。

【写真・画像】10代女性66.0%が動いた。サンスターOra2が全方位型IP施策を経て辿り着いた、若年層攻略の「突破口」  5枚目

◆「瞬間最大風速」で終わらせない。IPを“推し活”ではなく“日常の文脈”に溶け込ませる戦略的必然性

―今回の『今日好き』とのタイアップも含めいくつかのIPとこれまでタイアップされてきた中で、そのマーケティング手法自体やIPの選択基準について得られた知見やお考えなどはありますか? 

渡邉氏 まず前提として「IPコラボ」や「IPタイアップ」は、人を動かすための手法のひとつだと考えています。瞬間最大風速型の集客戦略ですが、一方で獲得した新規客が定着し難いという側面もあります。投資して獲得した新規客を維持できないのがIPタイアップの課題と言えるでしょう。

そんな中『今日好き』に関しては、いわゆる「IPコラボ」や「IPタイアップ」とは異なる立ち位置だと捉えています。人気IPとの瞬間最大風速型の集客はいわゆる「推し活」の文脈と近いと思いますが、一方『今日好き』とタイアップすることは、若年層に対し、同世代の若者が等身大の日常で使っているということをアピールすることができます。つまり若年層の生活圏に商品を自然と溶け込ませることができるIPコンテンツだと思います。 

特殊な例ではあるのですが、瞬間最大風速型のIPタイアップではないからこそ、『今日好き』とは深く持続的な施策が行えると考えています。 

―確かに『今日好き』は参加メンバーの新陳代謝を生み続けていますし、一方で高校生の青春がテーマというブレない番組軸があることから、季節や学校行事などに合わせた様々なクリエイティブが生み出せそうですね。 

渡邉氏 そうですね。そして『今日好き』の良いところは、仮に番組を知らなくても、“元気な高校生が楽しそうに宣伝をしている”という部分を存分に訴求できるところです。アイドルやアニメとのIPタイアップですと、限られたファンには届きますが、なかなかその先に広がっていきません。一方、『今日好き』は幅広いアテンションが取れる。その部分もとても魅力的だと考えています。

―そんな中、『今日好き』とのタイアップCMの第2弾「白さの敵はステインだから!」が4月2日より公開されました。今回は長浜広奈さん、永瀬碧さん、代田萌花さん、倉田琉偉さんが登場しています。

松尾氏 前回は「ハニーレモンミント」という新しいフレーバーを訴求していくことが中心のCMでしたが、今回は「オーラツー」の「ステインクリア(歯の着色汚れであるステインを落とし、歯本来の白さを取り戻すオーラツーブランドの機能価値)」という大きな特徴を若年層に理解してもらうことにフォーカスを当てています。以前とは目的が異なるCMパターンになりました。 

渡邉氏 前回とはクリエイティブの方向性がだいぶ異なりますが、記憶に残るCMになったと感じています。「オーラツー」製品の深いところを理解してもらうところをゴールとして設計していて、「美白ハミガキはなぜあなたにとって必要なのか」「そして歯の白さの敵は何なのか」という部分をファンタジックな空想の世界を通して伝えています。 

◆「若年層の定番」という方程式の確立へ。ブランドの未来を支える、持続的なファンベース構築の展望

―継続して『今日好き』とタイアップすることで、どんな未来を見据えているのでしょうか。

渡邉氏 まず「若年層が使うブランドはオーラツーミー」というような、ひとつの方程式を作り上げたいと思っています。またオーラルケア製品は、「実家で使っていたから、ひとり暮らしをした後も同じ製品を引き続き使う」というパターンが非常に多いです。そういう意味でも、若年層に訴えることは、長い顧客を作るという意味で、非常に大事な施策です。最終的には大人になってもオーラツーミーを使っていて、その思い出のそばには『今日好き』があるーー。そんな素晴らしい環境が作れるんじゃないかなと考えています。

そして、MEシリーズをきっかけに新生活や就活のタイミングなど他人からの見え方が気になるときは歯に美白とツヤを与える上位シリーズの「オーラツー プレミアム ステインクリアペースト」、結婚式などの大切なイベントなどを控えさらに美白を追求したい時には「オーラツー プレミアム クレンジングペースト」、といったようにシリーズを横断して、ユーザーの人生と変化するニーズに寄添うブランドにしていきたいです。 

松尾氏 私たちも「ティーンのハミガキ・オーラルケアブランドはオーラツーというところを目指してやっていこう」というのを当初から目標として掲げていました。今後はCM以外のクリエイティブでもタイアップができたらと考えています。例えば『今日好き』には姉妹番組『すーぱーのびしろたいむ by 今日、好きになりました。』がありますが、番組のコーナーとタイアップする形でオリジナル商品を制作してみたり、職業体験企画のような形で工場に潜入してみるなど、オーラツー商品をより身近に感じていただく機会も創出できると思います。 

加えて「青春祭」のようなリアルイベントと掛け合わせてオーラツーの購買に繋がるような施策もやっていけたらと考えています。この先もサンスターさんと様々なコンテンツ展開ができる期待感で非常にワクワクしています。 

―ありがとうございました。 

※本稿における「10代女性」は、15〜19歳を指します。

◆渡邉拓也

サンスター株式会社マーケティング統括部 マーケティング戦略部 コミュニケーション企画グループ 2020年サンスターグループに中途入社。2025年よりオーラツーブランドのコミュニケーションを担当。

◆松尾菜子

株式会社サイバーエージェント インターネット広告事業本部  ABEMA&IP局

【写真・画像】10代女性66.0%が動いた。サンスターOra2が全方位型IP施策を経て辿り着いた、若年層攻略の「突破口」  8枚目

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