どんな一言が、人の縁になるかわからない。将棋の世界でもそれは同じだ。「千駄ヶ谷の受け師」の異名を持ち、最年長でのタイトル獲得記録を持つ人気棋士・木村一基九段(48)には1つ、おもしろくもありがたい思い出がある。「飯島栄治って人、知ってる?」。同じく棋士の飯島栄治八段(42)のことだが、この2人をつなげたのは、飯島八段が奨励会時代に木村九段に聞いた「すっごく筋の悪い手」だった。