苦手な相手なら、味方にしちゃえ。「貴族」の愛称で親しまれる佐藤天彦九段(34)が、無邪気な“強奪指名”に挑み、ファンを楽しませた。プロ将棋界の早指し団体戦「第5回ABEMAトーナメント」のドラフト会議が4月2日に放送され、佐藤九段は1巡目に、過去2大会続けてチーム永瀬のメンバーとして戦った増田康宏六段(24)を指名。永瀬拓矢王座(29)と重複し、抽選となった。「私のチームは2回とも永瀬さんのチームに引導を渡されていた」と、戦力を削りに行ったものの、作戦は実らず抽選負け。ただ、これまで重複を気にしたリーダー棋士が単独指名を目指してきた中、あえてぶつける強硬策が大きな盛り上がりを生んだ。