今度こそ役満、ではなく優勝を狙う。プロ将棋界の早指し団体戦「第5回ABEMAトーナメント」のドラフト会議が4月2日に放送された。将棋界でも屈指の雀士である広瀬章人八段(35)は、1巡目に青嶋未来六段(27)、2巡目には佐々木大地六段(26)が重複による抽選で外れたが、大会出場の実績がある三枚堂達也七段(28)を指名した。3人の共通点は「麻雀」。広瀬八段にとっては、第3回大会以来、2年ぶり2度目の雀士トリオ結成だ。
当初の構想は、第3回大会の「チーム大三元」を再現する「大三元リターンズ」。ただ、青嶋六段を1巡目で指名したところ、もう一人の黒沢怜生六段(30)が同じく1巡目に糸谷哲郎八段(33)に指名されてしまった。「指名の順番をどうするか悩んだんですけど、想定外のことが起きてしまった。そこで軌道修正をせざるを得なくなりました」と、新たな麻雀好き棋士を、名簿から探し直した。
佐々木六段をくじで外した後、指名が確定したのは第3回大会でも出場した三枚堂七段。それほど麻雀のイメージはないが「実は最近やっていて(笑)。そういうのもあって選んでいます。あまり有名ではないですが、自分の中では麻雀が好きな人を選んでいます」と、ファンには知られていない麻雀ネットワークを活かしてのチーム構成だった。
目標は最低でも予選突破だが、その先に行きたい。「個人目線で言うと、予選突破はできているんですが、そこから先がなかなか勝ち上がれない」。広瀬八段個人としては、個人・団体4連覇中の藤井聡太竜王(王位、叡王、王将、棋聖、19)と同レベルの強さを誇っているものの、チームとしては優勝を争う位置まで行けていない。今年こそ3人がそれぞれ役割を果たし、役満ではなく優勝へ。成し遂げた暁には、祝勝会もきっと麻雀だ。
◆第5回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名を漏れた棋士がトーナメントを実施、上位3人がチームとなり全15チームで戦う。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選リーグ、本戦トーナメント通じて5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)