エンゼルス大谷翔平はまるで、決め打ちしているようだった。「1番・DH」で出場した4月15日(日本時間16日)のレンジャーズ戦の1打席目、開幕から31打席目でようやく飛び出した今季1号。1スイングで捉えた初球は、高めのストライクゾーンからボール1個分外れた直球だった。多少、ボール気味でも振りにいく、そんな積極性が表れていた打撃だった。
開幕から30打席ノーアーチとなった前日、打撃面の課題を自己分析した。ストライクゾーンの見極めにも苦しんでいるように見えたが、大谷はこう言った。
「広く(ゾーンが)ズレてるなという感じはしない。ただ、動きの遅れが少し目立ってるかなと思うので、それは単純にタイミングが遅いとかではなくて、動き出しの準備が少し遅れている。そういう原因かなと思います」
打席での構えや立ち位置を重視し、相手投手やボールの見え方を調子のバロメーターとする。その点では「すごいいい状態ではないですけど、結果よりかは、そんなにひどい見え方ではない」と語った。動き出し、つまり初動の遅れが大きな要因と捉え、「もう少し大胆に動けるような準備をしたい」とも言っていた。だとすれば、第1打席は極端にアプローチを変えて臨んだ可能性がある。初動を早めるには、ギリギリまでボールを見極めていては間に合わないだろう。だからこそ、トップバッターであろうと多少ボール球でも振る。“超積極打法”が実を結んだように見えた。
前日まで感じていた課題を、1日で修正することは簡単なことではない。それをやってのけるのが大谷でもある。修正能力が高いとは言われるが、おそらく、引き出しとして様々な初動のバリエーションがあり、この日は早くするための動きを選択したと考えられる。これまで数多くの失敗を重ね、分析し、改善してきたからこその結果だ。
きっかけをつかめば、突然打ち始める傾向にある大谷。第1打席での一発だっただけに、1試合2発の可能性は十分にあった。すると、第3打席で左腕アラードのカットボールが甘く入った。つかんだ感覚を逃さずにフルスイング。打球の行方を見届け、バットを放り投げた。その姿は、大谷が確かな手応えを得たことを物語っている。【斎藤庸裕】
■大谷翔平 人気記事
・ドジャース(大谷翔平所属)試合日程・時間・放送予定 【2024シーズン】
・大谷翔平 成績・打席結果【2024シーズン】
・大谷翔平 ホームラン成績【2024シーズン】
・ドジャース大谷翔平 年俸推移・予想
・大谷翔平の速報・今日のニュースを見る
■Pick Up
・嫌われない広告とは?「ABEMA」のスポーツ×広告事例から紐解く
・スポーツコンテンツに適したの“ライブ特化型広告”って何?
・槙野智章氏と考える「スポーツ×マーケティング」の可能性