佐々木勇気七段「刺激が強い」相手リーダーと互いにジャケットオフ !千日手指し直しの熱戦制し“復活”の1勝/将棋・ABEMAトーナメント
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 エースは、俺だ。将棋界の早指し団体戦「第5回ABEMAトーナメント」の予選Bリーグ第3試合、チーム斎藤とチーム菅井の対戦が5月21日に放送され、佐々木七段は2勝1敗と活躍。チームの予選通過に大きく貢献した。とりわけ、ここまで勝ち星が遠ざかっていた佐々木七段が相手チーム主将の菅井竜也八段(30)と千日手指し直しの激闘の末に掴んだ勝利は、「エース復活」とファンの心を大きく揺さぶった。

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 天真爛漫なキャラクターで棋界屈指の人気を誇る佐々木七段は、2010年10月に16歳で四段プロデビュー。2013年度の加古川青流戦で初の棋戦優勝、2016年に最多対局賞を獲得したほか、研究にも厚く横歩取りの新ジャンル「勇気流」は2017年の升田幸三賞にも選ばれた。また、幼少期より「天才」の異名を欲しいままに2004年の小学生名人戦では渡辺明名人(棋王、38)らに並ぶ年少記録の小学4年生で優勝を果たしている。

 奇しくもこの日、チーム2勝1敗で迎えた第4局ではその小学生名人戦で決勝を戦った菅井八段と対戦。さらに偶然は重なり、チーム菅井の久保利明九段(46)はその時の解説を務めていたというから驚きだ。互いに手の内は知り尽くしているとばかりにトップスピードで駒組みを進める様子に、チーム斎藤の木村一基九段(47)も「なんかもう2人の世界だね」と目を丸くした。互いに穴熊に組んで指し進めるも、終盤で千日手に。斎藤八段からは「とことんやっていただきたい!」の声が飛んだ。

 ここまでの個人成績が1勝ののち3連敗と、白星が遠ざかっていた佐々木七段は指し直し局でギアチェンジ。持ち時間は菅井八段は1分19秒、佐々木七段が31秒から、再び対抗形の穴熊として激戦に備えた。中盤でペースを握ると、菅井八段の時間と気力を削り取る。しかし相手はタイトル獲得経験を持つ順位戦A級、昨年のABEMAトーナメントでは個人最多の10勝を挙げた超トップ棋士だ。最終盤で激しい抵抗にあったが、佐々木七段は最後まで集中力を切らすことなく164手で相手リーダーを投了に追い込み、リードを広げる大きな1勝をもぎ取った。「菅井さんとの穴熊戦は刺激が強い。ここまで不調だったが、調子を取り戻せたような一局だった」と勝利をかみしめた。

佐々木勇気七段「刺激が強い」相手リーダーと互いにジャケットオフ !千日手指し直しの熱戦制し“復活”の1勝/将棋・ABEMAトーナメント
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 終局後、斎藤八段は「素晴らしい。目覚めましたね」、木村九段は「頑張った甲斐があった」と佐々木七段を歓迎。視聴者からも「めちゃめちゃ良いものを見ました」「感動したー!!」「勇気先生復活ですね」と大興奮のコメントが多数上がった。予選2位通過を決めたチーム斎藤「シン・エンジェル」。エースの復活で、本戦での飛翔にも大きな期待が寄せられている。

 ◆第5回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名を漏れた棋士がトーナメントを実施、上位3人がチームとなり全15チームで戦う。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選リーグ、本戦トーナメント通じて5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。
ABEMA/将棋チャンネルより)

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