将棋の藤井聡太叡王(竜王、王位、王将、棋聖、19)が5月24日に行われた叡王戦五番勝負第3局で挑戦者の出口若武六段(27)に勝利、シリーズ3勝0敗のストレートでタイトル防衛に成功した。対局後に行われた記者会見では、花束のほか、棋戦主催社の不二家よりペコちゃんのぬいぐるみが贈呈され、「大きな舞台で続けて対局出来ることをモチベーションに」とさらなる飛躍を誓っていた。会見の内容は以下の通り。
【動画】叡王戦五番勝負 藤井聡太叡王VS出口若武六段 対局開始の様子
――叡王初防衛の今の気持ちをお聞かせください。
中盤から終盤にかけて苦しい戦いが続いて、最後も負けになったと感じたので(防衛の)実感に関しては全くありませんし、今日の将棋もどうだったかなと思っているところうです。
――藤井叡王はご自身の課題をお話しされることが多いですが、過去の対局で会心の出来と感じたことはありますか?
もちろん思える時が全く無いわけではないですが、振り返るとしっかり指せていなかったポイントは常にあるので、一局指すたびに課題というのがあるのかなと思います。
――タイトル戦の連勝数を「13」に伸ばしました。タイトル戦で勝利を重ねているのはどのように考えていますか?
少しタイトル戦に星が集まっているところがあるので大きな舞台で結果が出ていることは嬉しいですが、それ以外の対局の結果も含めて内容とともに向上させないといけないかなと思っています。
――「負けを感じた」とのことですが、具体的には?
2一飛車の局面で足りないかなと思っていました。感想戦で考えた中でも足りなかったのかなと思ってました。
――防衛戦が続く。モチベーションの低下を感じることはありますか?
今後防衛戦が続いていくことになるが、防衛か挑戦かは大きな違いはないかなと思っているので、大きな舞台で続けて対局出来ることをモチベーションにして対局しています。
――3~4月は対局が少なく、その後すぐにタイトル防衛戦の帰還に突入されました。対局が少ない期間はどのように過ごされていましたでしょうか?
3月から4月にかけては対局が少なかったので、序盤の定跡の見直しをしていました。
――終局後、大盤解説会では出口六段の涙される場面がありました。藤井叡王も子供の頃、敗れると泣いていた姿がありましたが、出口六段の様子を見てどのような気持ちになりましたか?
今日の将棋は(自分が)終盤が苦しい展開が続いていたので、出口六段からするとそう思われるのも自然かなと思います。自分であってもそうだなと思います。
――獲得タイトル数は通算8期に。木村義雄九段、加藤一二三九段に並ばれました。
その頃とはタイトルの数が全く違うので、並んだとい気持ちはありませんし、昔の棋士の方の指し方を見て勉強になる部分があるので学んでいけたらと思っています。
――今までのタイトル戦では渡辺明名人、豊島将之九段など先輩棋士と戦ってきたが、今回はタイトル初挑戦の出口六段との対戦でした。今までの対局が活きた部分はあった?
今回は今までとは少し違うところもあったが、出口六段とは過去にも対戦がありましたし、自分が棋士になる以前にも練習将棋を指していただいたことがあるので、自分としては自然に番勝負を指すことができたのかなと思います。
(ABEMA/将棋チャンネルより)