【MLB】フィリーズ9－7エンゼルス（6月5日・日本時間6日／フィラデルフィア）
エンゼルスにとっては悪夢、フィリーズにとってはミラクルとしかいいようがない。エンゼルスの大谷翔平投手が「2番・DH」で先発出場したフィリーズとの3戦目は、終盤にまさに“天国から地獄”という展開が待っていた。
エンゼルスは4回に大谷のツーベースなどを足がかりに打者一巡の猛攻で5点を先制。その後両軍が点を取ってエンゼルス6－2のリードで8回を迎えた。この回からマウンドには4番手のループ。ループは先頭のヘレラにヒットを許すと、続くカマルゴをサードゴロに打ち取るもこれをサード・ダフィーが痛恨のエラー。さらにシュワバーに四球を与え満塁としたところで、マドン監督はたまらず守護神イグレシアスを投入する。イグレシアスは2番ホスキンスを三振に打ち取ったが、続く3番ハーパーに粘られると、7球目の真ん中に入ったチェンジアップを完璧に捉えられ起死回生の同点グランドスラムを浴びてしまった。
MVP2度のスター選手が放った満塁弾に、フルカウントになったときから立ち上がって後押しの拍手を送っていたホームスタジアムの観客は大興奮。スタジアムは割れんばかりの歓声で包まれた。ハーパー自身もホームイン後に高々と左手を掲げるなど、フィリーズの敗戦ムードはこれで一変する。9回にエンゼルスがエラーをしたダフィーがタイムリーを放ち1点を勝ち越したものの、9回裏にフィリーズは2本のヒットでイグレシアスをマウンドから引きずり下ろすと、代わったハーゲットからルーキーのストットが劇的なサヨナラ3ラン。フィリーズが3連戦3連勝を決め、エンゼルスは11連敗となった。ストットは2日前にメジャー初アーチを記録したばかり。エンゼルスは初本塁打に続き初サヨナラ弾まで献上してしまった。
ようやくエンゼルスが連敗を脱出するかと思われた展開だっただけに、8回2死からハーパーの同点満塁弾が飛び出すと実況のDJケチャップ氏、解説のAKI猪瀬氏が口を揃えて思わず「うそだー」と絶叫。コメント欄にも「あと一つだったのにーーー」「ちょっと格が違うわ」といった声が並んだ。そしてストットにサヨナラ弾が飛び出すと、2人とも信じられないといった様子に。コメント欄にも「なんやこれ」「わけわからん」など困惑した声が多く上がった。
それとは対照的に、本拠地を埋め尽くしたフィリーズファンは喜びを爆発。あちこちで歓喜の抱擁が見られ、歓声は止むことがなかった。スタジアムを訪れたファンにとって最高の日曜日となったようだった。
（ABEMA『SPORTSチャンネル』）
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