将棋日本シリーズ JTプロ公式戦の1回戦第2局が7月9日、石川県金沢市の石川県産業展示館で行われ、斎藤慎太郎八段(29)が木村一基九段(49)に131手で勝利、2回戦に進出した。自身初のJT杯優勝に向けて、幸先の良いスタートを切った。
【動画】将棋日本シリーズ JTプロ公式戦1回戦第2局は斎藤八段が勝利
斎藤八段の先手番で始まった一局は「角換わり」に。7月4日の棋聖戦五番勝負、藤井聡太棋聖対永瀬拓矢王座戦や、6月9日の棋聖戦一次予選、石田直裕五段対伊藤匠五段戦などの前例をたどった。大盤解説を務めた深浦康市九段(50)は「どこで前例を抜け出すかが勝負」と期待を込めた。
玉の堅さを主張とする先手と、広い守備と桂得を活かしたい後手。中盤戦はどちらも譲らず均衡が保たれたまま、終盤戦に突入した。斎藤八段はと金を生かして敵陣深くに角を打ち込み王手。積極的な姿勢から主導権を握った。木村九段は自陣から角で先手の急所を狙い、さらには先手玉に歩と銀を連結させて決断よく踏み逆転。深浦九段も「いつの間にか木村九段の攻め、斎藤八段の受けになりましたね」と白熱の攻防戦となった。しかし、斎藤八段が冷静に受けきり、一瞬の切れ味で再逆転。大熱戦を制したのは斎藤八段だった。
この結果で斎藤八段は2回戦に進出。次局は9月10日の熊本大会で、名人戦七番勝負を戦った渡辺明名人(棋王、38)と対戦する。
JTプロ公式戦は前年覇者、タイトルホルダー、賞金ランキング上位者から12人が選出されたトップ棋士たちによるトーナメント戦。持ち時間は各10分、切れたら1手30秒未満、各5分の考慮時間。
(ABEMA/将棋チャンネルより)