将棋の順位戦B級1組が7月28日、羽生善治九段(51)と久保利明九段(46)による3回戦の対局が行われている。激戦の本局は、終盤まで均衡が保たれたまま進行している。一手一手が勝敗を左右する重要な決断。ABEMAの中継に出演した飯塚祐紀七段(53)は、「順位戦と書いて“我慢”と読む」と長時間に渡る過酷な順位戦の戦い方を解説した。
順位戦は持ち時間各6時間、B級1組は消費時間の計測にチェスクロック方式が採用されている。午前10時の対局開始から、終局は深夜に及ぶこともある過酷な対局。さらに1勝、1敗が昇級と降級に大きく影響するだけに、棋士は身を削る思いで一局一局を戦っている。本局は、レジェンド・羽生九段と捌きのアーティスト・久保九段の対戦。数々のタイトル戦、これまでに公式戦70局を戦った間柄とあり、互いの手の内を知り尽くしているとばかりに大熱戦が繰り広げられ、終盤まで形勢は五分五分のねじり合いとなっている。
羽生九段が同銀と取るか、銀を引くかの考慮中、ABEMAで解説を務めた佐藤和俊七段(44)は「羽生九段の棋風としては同銀と取るのかなという感じはしますが、難しいところですね」と盤面を映すモニターを見つめた。飯塚七段は「読みもあるけど、将棋観や将棋の考え方、個性が現れそうな場面ですね」とコメント。進むか、一度引くか、どちらが正解とも間違いとも言えないだけに、「順位戦って我慢が大事って言うじゃないですか。順位戦と書いて“我慢”と読むという人もいますよね。(順位戦では)迷ったら辛抱しろ、という気配がありますよね。なんとなくベテランになればなるほど、銀を引く決断をする人が多いように感じます」と付け加えていた。
飯塚七段が明かした極限状態の棋士の思考に触れたファンからは、「深いなぁ」「我慢、ですか…」「ひええ」「過酷や」「めっちゃ柔らかい表情でめっちゃ怖いこと言ってる」と驚きのコメントが多数寄せられていた。
(ABEMA/将棋チャンネルより)