将棋界の早指し団体戦「第5回ABEMAトーナメント」の本戦トーナメント1回戦第2試合、チーム三浦とチーム斎藤の対戦が8月6日に生放送された。チーム斎藤の4勝3敗で迎えた第8局は、チーム斎藤・佐々木勇気七段(28)がチーム三浦・三浦弘行九段(48)に勝利。スコア5-3でチーム三浦を破り、2回戦進出を決めた。
本カードは三度目の対戦。2局とも三浦九段が勝利を飾っており、カド番に追い込まれているチーム三浦としては三度勝利を飾ってフルセットに持ち込みたいところ。「私が勝てば最後は池永(天志五段)さんが控えている。なんとか池永さんに繋げられるように頑張りたい」と個人よりもチームの勝利を思いを込めた。一方、チームの勝利に王手をかけているチーム斎藤の佐々木七段は、何としてでもここで決めたい。リーダーの斎藤慎太郎八段(29)からの「気負わず行ってきて下さい」の言葉を受け、「チームメイトも応援してくれているので期待に応えたい」と意気込みを語った。
本局は、佐々木七段が先手番。戦型は佐々木七段のエース戦法「横歩取り」となった。序盤から激しい攻め合いを演じ、佐々木七段のペースに。中盤のねじり合いでは三浦九段も猛攻を仕掛けるも、先手は玉の堅さを活かし冷静に対応にした。終盤は手に汗握る激戦となったが、佐々木七段が序盤のリードを活かしきって勝利。本戦初勝利がチーム勝利を決める大きな1勝となった。
大熱戦を制した佐々木七段は、「かなり疲れました。生きててよかったなと思いました」と感慨深げな様子。一方、1回戦敗退が決まった三浦九段は、「チャンスがあったとは思うが、力不足。池永さんに申し訳ない」と残念そうに一局を振り返っていた。
この結果でチーム斎藤はスコア5勝3敗で2回戦進出が決定。佐々木七段は、「良い時間なので終わらせたくなかった。私は優勝を目指していますよ!」と改めて熱い気持ちを語る場面も。2回戦では、予選リーグで敗れたチーム糸谷と再戦が決まった。リーダーの斎藤八段は、「こうやってまた戦えるのは士気があがる。また次につながるのが嬉しい。挑戦者という気持ちで挑んでいきたい」と次戦を見据えていた。
◆第5回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名を漏れた棋士がトーナメントを実施、上位3人がチームとなり全15チームで戦う。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選リーグ、本戦トーナメント通じて5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)