将棋界の早指し団体戦「第5回ABEMAトーナメント」の本戦トーナメント2回戦第1試合、チーム永瀬とチーム広瀬の対戦が8月13日に生放送された。チーム広瀬の2連勝で迎えた第3局は、チーム永瀬・増田康宏六段(24)がチーム広瀬・広瀬章人八段(35)に勝利。チームのエースとしての使命をしっかり果たし、待望の1勝目を持ち帰った。
本戦初登場同士の対決。先手番の増田六段は予選リーグで5勝全勝を挙げており、チームの連敗を止めるべく「自分で食い止めたい」と闘志を燃やした。一方、仲間から良い流れを引き継ぎたい後手の広瀬八段は「勝星を上げてくれたのでホッとしたところもある。緊張感が上がってきた」と必勝を誓った。
今後の流れを決める重要な第3局。先手は左美濃、後手は雁木の戦いとなった。広瀬八段は「考えてきた作戦にはなった」と話したが、抜け出したのは増田六段。盤面全体で戦いが起こる熱戦へと進行した。互いに負けられない一局。増田六段は急所をしっかりと見極め、最後は駒を取りながら丁寧に寄せ切り、待望の1勝目をもぎ取った。
今期のABEMAトーナメントでの無敗記録を「6」に伸ばした増田六段は、「ずっと難しい将棋だった。苦しい部分もあったが、最後は相手玉を寄せることができた。チーム2人の調子があまり良くないようなので、ここで自分が勝てて良かった」と大きくうなずいた。敗れた広瀬八段は玉型が不安定だった。相手チームが息を吹き返さないように願いたい」と祈りを込めていた。
◆第5回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名を漏れた棋士がトーナメントを実施、上位3人がチームとなり全15チームで戦う。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選リーグ、本戦トーナメント通じて5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)