「左中間を深々と破る――」。プロ野球の記事の大半は、この後に「二塁打」という言葉がつながってくる。開催中の甲子園大会などであれば、外野手の肩の強さと打者走者の足の速さの兼ね合いから三塁打になることもあるが、守備位置も深く強肩揃いのプロ野球であれば右中間はまだしも、左中間を破る三塁打というのは野手が転んだり、スライディングキャッチを試みて捕球できなかったり、という条件がない限り、ほぼ見ない。ところが8月16日(日本時間17日)に行われたエンゼルスとマリナーズの一戦で「2番・DH」で先発出場していた大谷は、第3打席に左中間への大きな当たりを放つと、相手野手陣の様子を見ると、俊足を飛ばして三塁に楽々と到達。一塁到達タイムでもメジャー屈指の速さと言われる走力がまたも注目されたが、瞬時に状況判断をする大谷の野球IQの高さも詰まったプレーだった。