大谷翔平、胃腸炎で降板は疲労の影響か前人未到「規定打席＆規定投球回」達成に立ちはだかる中5日登板のハードな壁

【MLB】タイガース4－0エンゼルス（8月21日・日本時間22日／デトロイト）

　エンゼルスの大谷翔平投手が「3番・投手」で先発出場し、4回を投げ1本塁打を含む5安打で3失点、今季ワーストの4四球で8敗目（10勝）を喫した。5回の第3打席にはDHで残れるものの代打を出され途中交代。球団広報からは「ウイルス性の腹痛」という発表がされた。本人は試合後、ウイルス性ではないと語りつつも疲労についての言及もあった。大谷にはメジャー史上初となる「規定打席＆規定投球回」という、投打二刀流の究極形とも言える記録がかかるが、シーズンでほぼ休みなく出場をし続けたところで、偉業には疲労と向き合いつつ中5日で登板をし続けることが必要で、ハードな壁が立ちはだかっている。

【映像】微妙な判定にがっかりする大谷翔平

　この試合で大谷は2打席に立ち、今季通算で501打席。規定打席「502」にあと1打席となり到達目前だ。投手としても開幕からローテーションを崩すことなく投げ続けてきたが、6人ローテーション制だったことで、大谷は他チームのエースよりも投球回が少なく、規定投球回に届かない時期が長かった。苦しみながらも4回を投げたことで、チーム試合数と同じ121回となり、一時的に規定投球回に届いたが、明日の試合を迎えれば再び届かない。

　チーム121試合を終えたところで、大谷の完全オフは4試合のみ。代打での出場も2試合で、打者としては守備の負担が少ないDHでの出場ではあるが、今季117試合に出場したことの疲労は確実に蓄積しているはずだ。8月に入り月間打率が今季初めて3割を超えるなど、絶好調モードに突入したと見られていたが、不意に訪れた胃腸炎というアクシデントは、人間離れとも言われる投打の活躍を見せる大谷であっても、やはり人間であるということを認識させられることになった。

　年間の規定投球回「162」に届くには、あと41回を投げる必要がある。大谷にとってはハードな中5日という登板間隔でシーズン最後まで投げ続けられたとして、それでも毎試合6回のペースで投げないと、規定回には届かない。チームは既にポストシーンズン進出の可能性は絶望的。少しでも試合に出場したがる大谷にも当然来季があり、残りのシーズンでどこまで自分を追い込んでまで試合に出るかの判断は、体調が悪くなるほど検討されることになる。またも中5日で投げるとなれば、次回は8月26日（日本時間27日）のブルージェイズ戦になるが、まずは明日の試合に出場し、打者として元気な姿を見せられるか。「規定打席＆規定投球回」の偉業達成に向けて、大谷の一挙手一投足は体調面を心配しながら周囲も見守ることになった。
（ABEMA『SPORTSチャンネル』）