将棋の順位戦A級5回戦が11月16日に行われ、稲葉陽八段(34)が佐藤康光九段(52)を144手で破り今期3勝目を手にした。この結果、稲葉八段は3勝2敗、佐藤九段は5戦全敗で後半戦へ折り返すこととなった。
A級は中間地点の5回戦が進行中。連敗中だった稲葉八段が、今期A級メンバー最年長の佐藤九段を破り、3勝2敗と2位グループに並んだ。
佐藤九段の先手番で始まった本局は、角交換型振り飛車の出だしに。佐藤九段は穴熊に、稲葉八段は一段飛車と二段金を組み合わせた陣形を整えると、じっくりとした戦いへと進行した。本格的な戦いが始まったのは、夕食休憩明けから。佐藤九段は自陣の堅さを活かし積極攻勢に出ると、稲葉八段も負けじと攻め合いへと展開した。難解な終盤戦、深夜12時を超えてもABEMAの「SHOGI AI」は互角を表示。後手は穴熊を目掛けて果敢に攻撃を仕掛けた。
最終盤で抜け出したのは稲葉八段。一時は劣勢に追い込まれたが、佐藤九段の猛攻を冷静に対応して押し返し、最後は桂打ちから144手に及ぶ大熱戦を制した。
この結果、稲葉八段は3勝2敗と、首位グループの豊島将之九段(32)、藤井聡太竜王(王位、叡王、王将、棋聖、20)を2番手グループから追走する。次戦では同門の菅井竜也八段(30)との対戦が予定されている。
一方、手痛い黒星を喫した佐藤九段は5戦全敗で後半戦へ。苦しい立ち位置から後半戦での巻き返しが期される。
(ABEMA/将棋チャンネルより)