物や動物など人間以外のものを、人間に見立てて表現する擬人化作品。「きかんしゃトーマス」では蒸気機関車を、「それいけ!アンパンマン」はパンをはじめとする食べ物から細菌まであらゆるものを擬人化したキャラクターが登場します。
擬人化作品の魅力は何を擬人化するかという設定はもちろん、元のモノの特徴をどうキャラの容姿や性格に活かしているかも見どころです。同じ題材を扱っていたとしても、擬人化されたキャラは作品によって千差万別。自分では考えもしないような発想力に、思わず「なるほど!」と感心してしまうキャラもたくさんいます。
そこで今回は、発想力の光る擬人化系アニメを3つご紹介していきます。
赤血球などの体内細胞や雑菌・ウイルスなどを擬人化「はたらく細胞」
はじめに紹介するのは、体内細胞を擬人化した「はたらく細胞」シリーズです。2018年にアニメ化された同作は、その後2021年に第2期となる「はたらく細胞!!」が放送。ほかにもスピンオフ作品の「はたらく細胞BLACK」もアニメ化されるなど、一躍人気作へと成長していきました。
「はたらく細胞」のキャラたちは名前も元の細胞そのままで、主な登場人物は赤血球や白血球(好中球)など聞き慣れた名前が並びます。とはいえ擬人化された細胞たちのビジュアルはかなりの美男&美女揃い。白血球は片目の隠れた白髪イケメンですし、赤血球も赤い帽子にショートカットのかわいい容姿で描かれています。
見た目が麗しくても、作中での役割は実際の細胞と同じ。人間の体内が仕事場に見立てられ、赤血球はひたすら酸素を運びます。体内に侵入した細菌を駆除する白血球は、敵となる細菌と壮絶なバトルを繰り広げる描写に。細胞たちのはたらきは、そのまま人体の仕組みの理解の一助となります。
イタリア、ドイツなど、世界各国を擬人化「ヘタリア」
次に取り上げる「ヘタリア」シリーズは2009年にアニメ1期が放送されて以来、何度もアニメ化されている国擬人化作品。直近では2021年に配信サイトを中心として「ヘタリア World★Stars」が公開されました。原作漫画も今は「少年ジャンプ+」にて連載が続いています。
世界各国を擬人化した同作は、国の特色を活かしたキャラ付けが魅力的。イタリアはパスタや女の子が大好きだったり、日本は空気を読んだり遠慮するのが得意だったりと、国民性の特徴が上手くキャラの性格に組み込まれています。
生真面目で体つきがガシッっとしているドイツや、ナンバーワンが大好きなメガネ男子のアメリカなど、さまざまなキャラが登場。ためになる世界史のエピソードや文化・習慣にちなんだやりとりを繰り広げるコメディアニメです。
刀剣に宿った付喪神を擬人化「刀剣乱舞」
ラストに紹介するのは、名だたる刀剣が戦士へと姿を変えた最強の付喪神“刀剣男士”が活躍する「刀剣乱舞」シリーズ。作中では、例えば沖田総司が使用していたとされる打刀・大和守安定は新撰組をイメージさせる水色の羽織姿で擬人化されています。
同作は元々ブラウザゲームで、歴史改変を目論む敵から歴史を守るためにプレイヤーである“審神者(さにわ)”と刀剣男士がともに奮闘する物語。アニメ化の際には、テイストの異なる「刀剣乱舞-花丸-」と「活撃 刀剣乱舞」という2種類のアニメが制作されました。
「刀剣乱舞-花丸-」ではゲームの設定を踏まえた上で、とある本丸での平和な日常生活を描写。みんなで花見の準備をしたり、主のお世話係をめぐって勝負を始めたりと賑やかな時間が流れます。
一方で「活撃 刀剣乱舞」は敵との戦いをメインに描いたシリアスな作り。制作はアニメ「鬼滅の刃」でもお馴染みのufotableが担当しており、圧倒的な作画力で迫力のある戦闘を満喫できます。元は同じ作品でも、アニメごとに全く違う面を楽しむことができます。
まとめ
以上、擬人化作品を3つまとめました。今回紹介した以外にも動物を擬人化しOP主題歌も話題となった「けものフレンズ」や、戦艦をテーマにした「艦隊これくしょん -艦これ-」など擬人化系ヒット作品は多数。擬人化系アニメをチェックしてみると、思わぬ発想力の作品に出会えるかもしれません。
(C)清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction
(C)日丸屋秀和/集英社・ヘタリアW★S製作委員会
(C)2016 アニメ『刀剣乱舞-花丸-』製作委員会