将棋の朝日杯将棋オープン戦本戦トーナメント準決勝が2月23日に行われ、渡辺明名人(棋王、38)が糸谷哲郎八段(34)に150手で勝利した。この結果、渡辺名人は同日午後に行われる決勝に進出。10年ぶり2度目の優勝を目指し、藤井聡太竜王(王位、叡王、王将、棋聖、20)と対戦する。
渡辺名人が、棋界屈指の早見え早指しの糸谷八段を破り決勝進出を決めた。糸谷八段の先手で角換わりの出だしから、先手腰掛け銀対後手棒銀に。難解な展開から、糸谷八段が大駒を4枚手中に収めて優勢を築いた。このまま糸谷八段がリードを拡大するかと思われた終盤戦で、渡辺名人は自陣を再構築。渡辺名人は飛車の奪取に成功すると、一気に流れを引き寄せていった。糸谷八段も必死の抵抗を見せたが、渡辺名人が冷静に押し切り二転三転の大熱戦で勝利を飾った。
勝利した渡辺名人は、「負けかなと思っていた局面もあった。その後、手が繋がって勝つことができたのは良かったかなと思います」と熱戦を総括。4年ぶりの決勝に向けて、「このチャンスを活かせるように精一杯頑張りたいと思います」と語った。
一方、ベスト4で敗退となった糸谷八段は「慣れ親しんだ形の将棋になったが、終盤に手が見えなくなってしまった。今年度はこのように勝ち切れない将棋が多く、反省しきりです」と振り返っていた。
◆朝日杯将棋オープン戦 持ち時間40分の早指し棋戦。一次予選、二次予選を勝ち抜いた棋士が、シード棋士を含めた計16人で本戦トーナメントを戦う。参加は全棋士、アマチュア10人、女流棋士3人で優勝賞金は750万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)