“未来の食”とも言われ、注目を集める「昆虫食」。そんな中、ある調査結果が話題となっている。
1月、外食市場に関する調査・研究を行う、「ホットペッパーグルメ外食総研」が発表した“抵抗感のある食品・食品技術”に関するアンケート調査によると、「昆虫食を避ける」と回答した人がトップとなった。また、「絶対に避ける」と回答した割合も62.4%というダントツの結果に。
ネットでは昆虫食について、さまざまな意見があがった。
「昆虫食は普通に気持ち悪いから食べたいやつだけ勝手に食ってろ」
「選択肢が増えるという意味での昆虫食は良いんじゃないかなとは思う」
牛や豚などと比べて少ないえさで育てることができ、たんぱく質などの栄養も豊富なことから、環境問題や食料不足の解決策として注目が集まっている昆虫食。
今回の調査結果について、昆虫食に関する研究を行う、NPO法人食用昆虫科学研究会の吉田誠理事は次のように話す。
「元々好かれているものではない感覚はあったので、特に驚きはなかったというのが私どもの受け止め方」(吉田理事、以下同)
ではなぜ、昆虫食に嫌悪感を示す人が多いのか。吉田理事はその理由として、日々の暮らしの中で昆虫にネガティブなイメージがついてしまっていると推測する。
「昆虫にはいろんな情報が混ざっている。駆除するゴキブリだったり、あるいは農作物の害虫だったり、アフリカで話題になっている植物を食べるサバクトビバッタだとか。その中で、やはりネガティブな意味合いがかなり強いと思う」
また、もう一つの理由として、学校給食で昆虫食が提供され始めたことをあげた。
「今までは『好きな人が勝手に食べてろ』という話で、それはそれで一つの文化だと思っているが、(給食で提供されると)『僕たちも食べないといけない』と受け止めてしまう方が、一部出てしまったこともあると思う」
一方近年では、昆虫食の研究・開発に乗り出す日本企業も多く存在。市場規模も大きくなっていくのではないかと話す。
こうした中、私たちは昆虫食とどう向き合えばいいのか。吉田理事は、昆虫食が酒やたばこのような「嗜好品」であると認知されることが重要としたうえで、昆虫食には私たちがまだ知らない魅力が隠されているとした。
「一般食品と同じようなリスクは当然あるが、他の食品と比べて特に高いということは無い。ただ、昆虫を食べられた方は相対的に少ないので、アレルギーのリスクはあることは注意した方がいい」
「味や香り、食感など、本当にバリエーションに富んでいるし、そういった意味でまだまだ開拓されていく“食のフロンティア”がある。食べたい人が美味しい味を追求して食べるものという形で広まって欲しいし、嫌いな人に無理に勧めることがあってはならない。逆に嫌いな人も(昆虫食が)好きな人を”虫食ってる”みたいな形で揶揄したりとかというのはやめてほしいと思っている。食材の一つとして、昆虫がしっかり世の中に残っていくことがいいのかなと思っている」
(『ABEMAヒルズ』より)
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