将棋の竜王戦1組ランキング戦が3月3日に行われ、羽生善治九段(52)が久保利明九段(47)に102手で勝利した。この結果、羽生九段はベスト4に進出。次戦では、2期ぶりの決勝トーナメント復帰をかけて永瀬拓矢王座(30)と対戦する。
力のこもった終盤戦の応酬で、羽生九段が勝利を飾った。久保九段の先手番で始まった本局は、三間飛車の出だしからじっくりとした進行に。難解な中盤戦では、攻勢に出た振り飛車ペースと見られていた。と金でじりじりとプレッシャーをかけつつ、後手陣に迫りリードを拡大させていった。
終盤戦に突入し、このまま久保九段が押し切るかと思われたが、あと一歩後手玉は捕まらない。一瞬の潮流を見極めた羽生九段が逆転に成功すると、攻勢に転じて一気に勝利を引き寄せた。
柔軟な指し回しで逆転勝利を飾った羽生九段は、「序盤からあまり見たことのない形になってしまったので手探りだった。囲いが不十分な形で戦いになってしまったので、ちょっと悪いかなと思いながら指していました。(夕食休憩のあたりは)ちょっと辛くて、押し込まれているような気がしていました」とコメント。ようやく勝ちを意識したのは「角を打つ形になって良くなったかなと」いう最終盤だったという。
一方、久保九段は「夕休あたりの形勢判断が良くわからなかった。もうちょっと上手くいっている予定だったが、意外に大変なのかと途中から改めて考えていました」と一局を振り返った。
この結果、羽生九段はベスト4に進出。2期ぶりの決勝トーナメント進出を目指し、次戦で永瀬拓矢王座(30)と対戦する。
(ABEMA/将棋チャンネルより)