新生・森保ジャパンは3月、キリンチャレンジカップ2023の2試合を戦い、未勝利に終わった。招集メンバーは、世代交代の意味もありこれまでと比較すると若い選手が多かった。
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出場機会に恵まれなかった選手もいたが、今回の代表活動が今後の指針になっていくことは間違いない。これから日本代表メンバーはどのように変遷していくのだろうか。
古橋亨梧の招集はあるのか?
現在の代表でもっとも物議を醸しているのが、セルティックで得点を量産しているFW古橋亨梧の選外だ。今季27試合に出場しているスコティッシュ・プレミアシップ(スコットランド1部)で、リーグトップの20ゴールを記録している。圧倒的な数字を記録するストライカーが代表チームに加われば得点の可能性は高まるはずだ。古橋の姿を日本代表でも見たいと思っているファンは多いのではないだろうか。
一方、代表メンバー入りしている浅野拓磨は、出場機会は与えられているものの、FIFA ワールドカップ カタール 2022のドイツ戦で奪ったゴール以外目立った活躍ができていない。スピードや積極的にシュートに持ち込む姿勢は貴重だが、肝心な得点力を示せておらず、決定機を外す場面も目立つ。先日、所属するブンデスリーガのボーフムで今季2ゴール目をあげた浅野だが、さらなる活躍ができなければ代表での地位も危うくなってしまうだろう。
湘南ベルマーレの町野修斗は、ワールドカップでの出場はなかったものの、再スタートとなった今回の2試合目、コロンビア戦でスタメン出場した。この試合では、ポストプレーで先制点の起点になったが、シュートは0本とFWとしては物足りない結果に終わった。
そこで比較されるのが、ヴィッセル神戸に所属する大迫勇也だ。ポストプレーや多彩なゴールパターンで日本代表を支えてきた、言わずと知れた万能型FWである。現在、町野は23歳、大迫は32歳であり、若さを考えるなら町野である。しかし、経験豊富な大迫が重要な役割を果たせる可能性は高く、ポストプレーヤーの争いは熾烈を極めそうだ。
森保監督は、久保と鎌田をどう使う?
現在、スペインのレアル・ソシエダで絶好調の久保建英が、今後の代表を引っ張っていくに違いない。しかし鎌田大地とポジションが被っていることが悩みの種だ。鎌田を別のポジションで使うという策もあるが、森保一監督はどのような判断を下していくのだろうか。
久保はコロンビア戦で途中出場し、積極的にボールに絡んでいた。試合終了間際には危険なファウルを受けて、相手選手に詰め寄る気の強さも見せた。技術のみならず、闘志をむき出しにして戦える久保は、メンタル面でも日本をリードする存在になるだろう。
田中碧はドイツ2部、デュッセルドルフで出場機会を失いつつある。ワールドカップではスペイン撃破に直結するゴールを決めたものの、クラブでの出場機会がなくなれば、代表での立ち位置は厳しいものになる。これからの逆襲に期待したいところだ。
新顔が並び立つ守備ライン
ディフェンスラインは、2022年までのキャプテン・吉田麻也を筆頭に、長友佑都、酒井宏樹らベテラン選手が選外となった。コロンビア戦でゲームキャプテンを務めた板倉滉や、今回の代表戦で高いパフォーマンスを見せた菅原由勢はこの先、不動の地位を築くだろう。気がかりなのは怪我に悩まされている冨安健洋だ。実力は申し分ないものの、故障が多いと起用は難しくなる。早期に復帰して、再び日本の力になってほしいものだ。
FC東京所属のバングーナガンデ佳史扶は長友に代わり、新たな戦力になりそうだ。現在21歳の若きサイドバックは所属チームで大先輩から学びながらメキメキと頭角を表しており、代表デビューを飾ったことで、この先の日本を背負って立つことが期待される。
次回の代表戦は6月に行われる。今回、多くの初招集組がいたように、6月には再び新顔が並ぶ可能性もある。新勢力の台頭が、日本代表のレベルアップへとつながるはずだ。
(C)浦正弘(ABEMA/キリンチャレンジカップ2023)