「小さなマッチョマン」吉田正尚が初アーチ巨大なグリーンモンスター越えで手にした強打者の称号と金のダンベル

【MLB】レッドソックス6－7パイレーツ（4月3日・日本時間4日／ボストン）

　身長173センチ・体重80キロ。日本のプロ野球の中でも小柄な選手に数えられていたレッドソックス・吉田正尚外野手だが、メジャーリーガーの中に入れば、さらに小さい。平均身長188センチ・体重94キロという屈強な選手たちと今季からプレーしている吉田だが、開幕4戦目で放ったメジャー初ホームランは、体のサイズをまるで感じさせないどころか「小さなマッチョマン」の実力が本物であることを見せつける一発となった。

【映像】吉田正尚、記念すべきメジャー1号

　鍛え抜かれた体によって生まれた豪快なスイング。しかも荒削りではなく、そのスケールの大きさに的確なミート力が合わさるからこそ、打球はおもしろいほどよく飛んでいく。この日は本拠地フェンウェイパークでの試合。レフトには巨大なフェンス「グリーンモンスター」がそびえ立っていた。それでも吉田が外角高めの速球を弾き返すと、緑の怪物も無力そのもの。飛距離390フィート（118.9メートル）と、左中間スタンドに届かせるには十分過ぎた。

　ワールド・ベースボール・クラシック（WBC）でも活躍し、その力はある程度認められてはいた。ただし現地のファンもメジャーの公式戦で放つホームランを目の当たりにしてこそ、ようやく納得する。開幕からヒットこそ出るものの5年総額9000万ドルという大型契約に見合う選手か品定め状態だったが、グリーンモンスター越えの一発に今後の評価はガラリと変わることだろう。

　ベンチのチームメイトも、記念すべき初アーチを大喜びだ。笑顔で戻ってきた吉田に用意していたのは黄金に輝くダンベル。これはオリックス時代に作られたグッズで、当時も今もつけている背番号「7」も入っている。ベンチ内で高々と掲げる様子は、なんとも誇らしい。

　メジャーには身長168センチながらシーズン30本超えを2度クリアしたアルトゥーベなど、小柄でもホームランを打つ選手が他にもいる。「小さなマッチョマン」は、これからもホームランを量産して、アメリカの地でもっとビッグな選手になる。
（ABEMA『SPORTSチャンネル』）